IABPとPCPSの管理《知っておきたい治療法》
『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はIABPとPCPSの管理について解説します。
矢作由紀子
新東京病院看護部
IABPとPCPSの管理
補助循環装置は大きく分けて、圧補助のIABPと流量補助のPCPSに分けられます(図1)。
PCPSは流量補助で心拍出量の50~70%を補助でき、心筋の仕事量軽減と全身への血流維持ができます。しかし、自己心拍と逆流させて循環するため、左心室の後負荷が増加し、心機能低下症例では脈圧が出せません。
そこでIABPを併用することで、後負荷の軽減と脈圧が出せます。また、IABPで心保護を行うことで早期離脱をめざすことができます。PCPS離脱後もIABPは残るため、10~20%の補助ができるため安心です。
文献
- 1)澤芳樹代表監修:研修医,コメディカルのためのプラクティカル補助循環ガイド.メディカ出版,大阪,2007.
- 2)新田隆監修:病態生理の理解に基づく 心臓血管外科の基本知識と患者ケア.総合医学社,東京,2017:75-79.
- 3)山形泰士,道又元裕特別編集:基本から学べる体外循環 管理のポイントと看護ケアの実際.重症患者ケア 2015;4(3).
- 4)武居哲洋,讃井將満責任編集:特集ECMO.INTENSIVIST 2013;5(2).
- 5)西村元延監修,関口敦編著:CIRCULATION Up-to-Date Books 08 最新にして上々! 補助循環マニュアル.メディカ出版,大阪,2015.
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社