静脈疾患の理解に重要な筋ポンプ作用
『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は筋ポンプ作用について解説します。
〈目次〉
静脈疾患とはどんな疾患?
静脈疾患とは、静脈に何らかの障害が生じたものです。代表的なものに、深部静脈血栓症(deep venous thrombosis;DVT)、肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;PTE)があります。
静脈疾患は、血栓が形成されることにより、さまざまな症状が起こり、命にかかわる重篤な状態になることをおさえておきましょう。
静脈のしくみと筋ポンプ作用
静脈は表在静脈と深部静脈の2つに分かれます(図1)。
静脈は、心臓に送り返す血液の量に応じて太さが変化できるように、中膜は薄く、やわらかくなっています。
深部静脈は、静脈血を心臓のほうへ送る重要な役割があります。
静脈には弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。深部静脈を取り囲む筋肉は、静脈を圧迫して静脈内の血液を心臓のほうへ絞り出す手助けをしています。これを筋ポンプ作用と呼びます。
文献
- 1)リンパ管疾患情報ステーション:リンパ管とは?.(2019.09.01アクセス)
- 2)大八木秀和:まるごと図解 循環器疾患.照林社,東京,2013.
- 3)黒澤博身総監修:全部見える 循環器疾患.成美堂出版,東京,2012.
- 4)医療情報科学研究所編:病気がみえる vol.2循環器 第4版.メディックメディア,東京,2017.
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社