心膜炎・心内膜炎の理解に重要な心膜のしくみ

『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は心膜のしくみについて解説します。

 

笹野香織
新東京病院看護部

 

〈目次〉

 

 

心膜のしくみとはたらき

心膜とは、心臓外側を覆う膜です(図1)。

 

心膜は2層構造の、漿液性心膜線維性心膜の2つからなっています。

 

心筋の内表面に密着している膜を、心内膜といいます。

 

図1漿液性心膜と線維性心膜

漿液性心膜と線維性心膜

 

 

心膜炎

心膜炎とは、心膜に炎症が生じる疾患です。心膜炎の代表は、急性心膜炎、収縮性心膜炎、心タンポナーデです。

 

 

心内膜炎

心内膜炎とは、弁膜や心内膜、大血管内膜などに細菌や真菌が感染して生じる炎症性疾患です。心臓弁膜症や先天性心疾患などを基礎疾患にもつことが多いです。感染性心内膜炎(IE)が代表的です。

 

 

疾患理解のポイント

心膜炎はおもに、急性発症した急性心膜炎と慢性化した収縮性心膜炎があります。急性心膜炎では急性心筋梗塞などとの胸痛の鑑別が大切になります。それぞれの特徴をおさえておきましょう。

 

 

治療のポイント

症状緩和に対する治療や、それぞれの原因に対する治療を行います。

 

 

看護のポイント

急性心膜炎では胸痛の軽減に努めます。また、重症化すると心タンポナーデが生じるため、全身状態の観察が重要です。収縮性心膜炎では外科的治療や心不全症状に対するケアが必要です。

 


文献

 


本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社

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