脚ブロック(右脚ブロック、左脚ブロック)
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『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は脚ブロックについて解説します。
渡辺朋美
新東京病院看護部
〈目次〉
脚ブロックはどんな疾患?
脚ブロックは、心室内の伝導障害です。刺激伝導系の右脚・左脚以降で障害が生じます。
右脚ブロック(RBBB)とは、右脚の伝導障害によって右心室が左心室に比べて遅れて興奮する状態です。もともと右脚は切れやすいため、よくみられます。
左脚ブロック(LBBB)とは、左脚の伝導障害によって左心室が右心室に比べて遅れて興奮する状態です。冠動脈疾患や心筋疾患などでみられます(図1)。
図1脚ブロックの心電図波形
患者さんはどんな状態?
右脚ブロックでは症状がありません。健康診断などで指摘されることがあります。
左脚ブロックに右脚ブロックがつづくと完全房室ブロックになります。完全房室ブロックは突然死の危険性があるため注意が必要です。
どんな治療を行う?
右脚ブロックでは基本的に治療は必要ありません。
心不全で左脚ブロックがある場合は、両室ペースメーカの適応になる場合があります。
文献
- 1)百村伸一編:心臓病の治療と看護 (NURSING̶Cure and Care Series).南江堂,東京,2006.
- 2)医療情報科学研究所編:year note 2019.メディックメディア,東京,2018.
- 3)大八木秀和:まるごと図解 循環器疾患.照林社,東京,2013.
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 循環器」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら。
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社