涙は何のためにあるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は涙の役割について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
涙は何のためにあるの?
涙は弱アルカリ性の無色透明の液体で、1日に約1mL分泌されます。涙にはリゾチームや免疫グロブリンのIgAなどが含まれ、眼球に付着した細菌や微生物を洗浄、殺菌する働きがあります。
涙を分泌する器官は、眼球の上方外側にある涙腺です。分泌された涙は、上眼瞼(じょうがんけん、上まぶた)の裏側の結膜に開いている10~12本の導管から眼球に向けて送り出されます。
まばたきをすると涙が眼球の全面に広がり、眼球を潤します。これは、眼球を乾燥から守るだけでなく、角膜の透明性や滑らかさを維持するうえでも欠かせません。また、角膜に酸素や栄養を供給することも涙の重要な役目です。
※編集部注※
当記事は、2019年12月17日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版