眼はどのようにして物を見るの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は眼の構造としくみについて解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
眼はどのようにして物を見るの?
光は角膜、瞳孔を通って眼球に入り、次に水晶体を通過します。水晶体は、カメラではレンズに相当します。近くの物を見る時には水晶体を膨らませてレンズの角度をきつくします。こうすると屈折率が大きくなります。反対に遠くの物を見る時には水晶体を薄くして屈折率を小さくします。
水晶体の厚みを変える働きをしているのは、水晶体についている毛様体筋です。こうした屈折率の調節は、カメラでは絞りに相当します。ここまでが光をキャッチするレンズ系の働きです。これ以降は、光を感じ取る感光系という分類になります。
水晶体というレンズで屈折された光は、硝子体(しょうしたい)を通過していきます。硝子体は丸い眼球内腔を埋めているゲル状の物質で、屈折された光がきちんと像を結ぶように眼球の内圧を一定に保っています。カメラでは、ボディの部分に当たります。
像を結ぶ部分が網膜です。カメラではもちろん、フィルムに相当します。網膜には明暗と色を感知する細胞(杯状体)と色覚を感じる細胞(錐状体)があります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版