少なくとも1時間に1度は注入速度をみるのはなぜ?|点滴静脈内注射
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は注入速度のチェックに関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
少なくとも1時間に1度は注入速度をみるのはなぜ?
定期的に注入速度をチェックするのは、体動などによって、滴数が変化する場合があるからです。
滴数が速すぎる場合は、患者がクランプを動かしたり、注射針と輸液チューブの接続が外れていたり、体動や血圧の変化があったり、針先の位置が一定していない―などの可能性があります。
反対に遅すぎる場合は、穿刺刺激などによる静脈の攣縮や閉塞、輸液残量の減少、輸液ボトルと患者の静脈確保部との高低差が少ない、血圧の上昇、体の下敷きになってチューブが閉塞―などが考えられます。
穿刺された側の手を動かしたり、点滴スタンドを押しながらトイレや買い物に行ったり、ベッドに起き上がって食事をするなど、日常的な行動や動作によって血管の状態が変化し、滴数が変化する場合もあります。定期的なチェックに加えて、トイレや買い物などの前後に滴数を合わせ直すことも必要です。
memo滴数計算
1分間当たりの滴数を知るためには、次の計算式に数値を当てはめます。
総量(mL)×使用セットの1mLあたりの滴数1÷指定時間(時)×60分
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版