ダブルチェックを行うのはなぜ?|点滴静脈内注射
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は点滴静脈内注射に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
ダブルチェックを行うのはなぜ?
うっかりミスによって、誤った薬を患者に投与しないために、必ず複数の看護師によるチェックが必要です。一度静脈に入れた薬は戻ってはきません。
医師の指示書には、患者氏名、使用薬剤名、投薬日、用量、濃度、方法(静脈内注射か点滴静脈内注射か)、回数、速度、時間、終了形態(終了後、ほかの薬液を継続して点滴静脈内注射、あるいはヘパリンロック、あるいは針を抜去)などの指示が記されています。
薬剤のなかには、名前が似ていたり、瓶やアンプルの形がそっくりだったり、キャップの色が同じだったり、商品名が同じでも含有量が異なっていたり—など、紛らわしいものがたくさんあります。ミスを防ぐために、複数の目によるダブルチェック、できればトリプルチェックは必ず行わなければいけません。
memoヘパリンロック
ヘパリンを加えた生理食塩水(ヘパリン生食)でルート内を満たし、血栓形成によるルート閉塞を予防することをヘパリンロックといいます。静脈ルートの確保が難しい患者や中心静脈ルートを間欠的に使用する患者の場合に、そのつど穿刺をせずにルートを維持し、ルート内をヘパリンロックしておきます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版