無菌操作を行うのはなぜ?|無菌操作

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は無菌操作に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

無菌操作を行うのはなぜ?

使用物品や使用部位を無菌状態に保ちながら操作を行うことを、無菌操作といいます。

 

無菌状態に保つ物品や部位に触れる手や機械・器具なども、無菌状態でなければなりません。

 

無菌操作を行う目的は、1にも2にも病原体が人体に侵入するのを防ぐためです。

 

そのためには、使用物品や適用部位の無菌状態を保ちながら手順よく処理をしなければなりません。また、無菌状態のところに菌を運ばないために、侵入経路を遮断することも必要です。

 

無菌操作のポイントは、次の通りです。

 

  1. 無菌操作を行う前には、必ず手洗いをする。
  2. 滅菌物の滅菌終了の印と有効期限を確認する。
  3. 滅菌物の破損がないか(穴があいていないか、口が開いていないか、端が破れていないかなど)確認する。
  4. いったん取り出した滅菌物は、元に戻さない。
  5. 滅菌物の上で操作をしない。
  6. 滅菌物と不潔なものとの接触を避ける。
  7. 接触を避けるために、清潔・不潔間の空間を十分に保つ。
  8. 滅菌物を外界にさらす時間を短くする。
  9. 滅菌物を扱う時は、滅菌したもので操作する。
  10. 会話をせずに操作に集中する。
  11. 滅菌物が濡れた場合、汚染の疑いがある場合は、不潔物とみなす。
  12. 汚染されたものは、誰が見ても不潔物と分かるように処理する。
  13. 滅菌物を取り扱う場所を清潔に保つ。

 

滅菌ずみの確認

物品が滅菌されているかどうかは、化学的インジケーターの色の変化で確認できます。

 

図1滅菌の確認

 

バイオハザードマーク

厚生労働省は、感染性廃棄物処理マニュアルに規定されている感染性の廃棄物であることを識別するために、廃棄物処理容器にはバイオハザードマークをつけることが望ましいと指導しています。

 

医療廃棄物に関するバイオハザードマークは、廃棄物の性状によってマークの色が異なります。

 

赤色

液状または泥状のもの(血液など)

 

橙(だいだい)色

固形状のもの(血液などが付着したガーゼなど)

 

黄色

鋭利なもの(注射針など)

 

なお、外見上、感染性廃棄物と区別がつきにくい場合は、感染性廃棄物とみなされてトラブルが生じる可能性もあるため、「非感染性廃棄物」と明示したラベルを貼ることも推奨されています。

 

図2バイオハザードマーク

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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