導尿を無菌操作で行うのはなぜ?|導尿
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は導尿に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
導尿を無菌操作で行うのはなぜ?
導尿時には、尿路感染をひき起こす危険性が高いことを考え、必ず無菌操作で行う必要があります。排尿による自浄作用が失われると尿路感染症を起こしやすくなることに加え、体の中に溜まった尿に細菌が増殖しやすいためです。
カテーテルを挿入する際には、器具の滅菌や尿道口周辺の消毒を正確に行います。手には滅菌手袋を装着するか、鑷子(せっし)を使用します。まず、カテーテルを滅菌膿盆(のうぼん)に寝かせるようにして汚染を防ぎます。挿入時にカテーテルに塗る潤滑油も滅菌ずみのオリーブ油やグリセリンを用います。
尿道口や亀頭の消毒も厳密に行います。これは、外界から尿路内への細菌の侵入を防ぐためです。陰部の汚染が激しい場合は、陰部洗浄を行ってから消毒します。カテーテルを抜去した後も、尿道口やその周囲を清潔にすることが重要です。この時、拭き綿を1回ごとに取り替えるようにします。これは抜去後の感染症の発生を防ぐために大切な行為です。
memo尿路感染
尿路感染は院内感染の約40%に達するといわれています。さらに、尿路カテーテルに由来する感染は80~90%です。カテーテルの挿入は、生体の防御機能を阻害することになりますので、感染を起こしやすい状況になっていることをしっかり理解してケアすることが必要です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版