気管チューブのカフ圧管理の新しいデバイスには、どんなものがあるの?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。

 

今回は「気管チューブのカフ圧管理の新しいデバイス」に関するQ&Aです。

 

露木菜緒
一般社団法人Critical Care Research Institute(CCRI)

 

カフ圧管理の新しいデバイスには、どんなものがあるの?

 

「自動カフ圧コントローラ」があります。カフ圧の制御・調整を自動で維持するデバイスです。

 

自動カフ圧コントローラ

自動カフ圧コントローラ(図1)は、カフ圧の制御・調整を自動で維持できるため、カフ内圧に起因する気管損傷や垂れ込みによる誤嚥のリスクを低減させる。

 

図1自動カフ圧コントローラの使用方法

 

始動時は25cmHOに設定されているが、0~99cmHOまで設定が可能で、精度も高い(調整精度は±1cmHO、表示精度も±1cmHO)。

 

自動カフ圧コントローラは、麻酔ガスの拡散による増圧時や体位調整による減圧時など、カフ圧が変化した状態が3秒以上になると、自動で調節を行う。

 

カフの破損など設定圧が維持できないときや、接続外れが生じたときは、アラームが鳴る。

 

なお、本体とパイロットバルブをつなぐ接続チューブは外れにくく、不穏時など接続チューブを引っ張ると気管チューブの予定外抜去につながるため注意する。

 

患者搬送時は自動カフ圧計を外すが、その際は、パイロットバルブから接続チューブを外す(パイロットバルブに接続したまま本体から接続チューブを外すと、カフの空気が抜ける)。

 


[文献]

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

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