気管切開患者の吸引方法は?
『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は「気管切開患者の吸引方法」に関するQ&Aです。
露木菜緒
一般社団法人Critical Care Research Institute(CCRI)
気管切開患者の吸引方法は?
気管切開であっても、基本的に、経口挿管時の吸引と方法は同じです。ただし、吸引カテーテルを挿入する長さが異なります。
〈目次〉
気管切開時の吸引方法
気管切開における気管吸引の手順は、閉鎖式気管吸引でも、開放式気管吸引でも、経口挿管時と同様である。
異なる点は、吸引カテーテルを挿入する長さである。
気管切開時の吸引カテーテル挿入長
閉鎖式気管吸引の場合、吸引カテーテルの目盛りを見ながら、12~15cm挿入する。
開放式気管吸引の場合も、挿入する長さは12~15cmであるが、あらかじめその部分を持ち、それ以上奥へ挿入しないようにする(図1)。
開放式気管吸引でも閉鎖式気管吸引でも、吸引カテーテルを根元まで全部挿入してはいけない。既製品は長めにつくられており、根元まで入れようとすると、長く挿入しすぎてしまうためである。
[文献]
- (1)Cereda M, Villa F, Colombo E, et al. Closed systemendotracheal suctioning maintains lung volume during volume-controlled mechanical ventilation. Intensive Care Med 2001;27:648-654.
- (2)小泉恵,門脇睦美:研究の動向と問題点.ナーシングトゥデイ1998;13:28-32.
- (3)坂本多衣子,前田里美,笠作祐子他:吸引操作の患者への影響.ICUとCCU1985;9:730.
本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。
[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社