体温測定時に麻痺側や側臥位の下側を避けるのはなぜ?|看護技術
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「体温測定時(腋窩)の注意」に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
体温測定時に麻痺側や側臥位の下側を避けるのはなぜ?
麻痺側は代謝が低くなっており、一般に体温が低くなりがちです。必ず健側で測定するようにしましょう。
気をつけたいのは、患者に体温計を手渡して「測ってください」と指示する場合です。片麻痺の患者は健側のほうが物を扱いやすいため、麻痺側に体温計を挟みがちになることを知っておく必要があります。
側臥位しか取れない患者の場合は、側臥位のまま検温を行います。体の下になっている側は血流量が少なく、体温がやや低めになるのに対し、上側は拡張して体温は高めになります。これを圧反射といいます。検温の場合は、最も高い体温を得る必要があるため、体の上側で測定します。
なお、血圧も麻痺側では測定しません。麻痺側の血流量が少なくなっているため、正確な測定値が得られないからです。麻痺の程度によっては、肘関節が硬直してマンシェットが正しく巻けない場合もあります。
One Pointるいそうが激しい患者の体温測定
るいそうが激しいと腋窩が密着しにくくなります。そのため、体温測定をする時は、意識して上腕を前胸部寄りに密着させる必要があります。測定している間、この姿勢を保っていられない場合は、看護師が患者の腕を固定します。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版