NPPV中の吸入療法って、どうすればいい?|人工呼吸ケア
『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は「NPPV中の吸入療法」に関するQ&Aです。
濱本実也
公立陶生病院集中治療室師長
NPPV中の吸入療法って、どうすればいい?
回路内に、吸入器やMDI用のスペーサーを組み込んで実施します。
NPPV中の吸入療法
喘息発作時には、治療としてβ刺激薬の吸入が必要となる。NPPVを外して酸素吸入下で通常の吸入を行うこともあるが、重症発作時には気道抵抗の増大や分泌物の貯留などによって十分に薬液を吸い込めないことが多い。
NPPV使用下での吸入は、気道内に陽圧をかけることにより、気道抵抗を減少させることができ、効果的である。また、NPPVの回路に組み込めば、容易かつ効率的に吸入することができる。
回路内に組み込むときには、吸入器もMDI用スペーサーも、呼気ポートより口側に接続する(図1)。
吸気が不十分な場合には、吸気圧の設定を上げたり呼吸介助を行ったりすることで吸入量の増加を図る。
略語
- MDI(metered dose inhaler):定量噴霧式吸入器
[文献]
- (1)日本呼吸器学会NPPVガイドライン作成委員会 編:NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン.南江堂,東京,2006.
- (2)Chevrolet JC, Jolliet P. Workload of Non-Invasive Ventilation in Acute Respiratory Failure. In:Vincent JL ed. Year book of intensive and emergency medicine 1997. Berlin: Springer-Verlag; 1997: 505-513.
- (3)濱本実也:NPPVと看護.人工呼吸2009;26:44-47.
- (4)Esteban A, Frutos-Vivar F, Ferguson ND, et al. Noninvasive positive-pressure ventilation for respiratory failure after extubation. N Eng J Med 2004; 350: 2452-2460.
本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。
[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社