小腸はどのようにして内容物を運ぶの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
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今回は「小腸の運動」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
小腸はどのようにして内容物を運ぶの?
小腸を食物が通過するとき、蠕動運動(ぜんどううんどう)、分節運動、振子運動(ふりこうんどう)が行われています。
これらの運動を行うのは、小腸の外側にある縦走筋(長軸方向での収縮)と内側の輪走筋(円周方向での収縮)です。
蠕動運動は内容物を大腸に向けて移送し、分節運動と振子運動は内容物と消化液を混ぜ合わせます。
分節運動が一定時間続くと、次に蠕動運動が起こり、蠕動運動が止むと分節運動が起きるというように、交互に運動をくり返しながら、毎秒2~2.5cmの速さで内容物を移動させていきます。
小腸の分節運動によって内容物はさらに細かく砕かれ、消化液と十分に混ざり合います。また、内容物が絨毛と接触する機会も増え、毛細血管に取り込まれやすくなります。
MEMO分節運動と振子運動
分節運動は輪走筋が、細かな部分(分節)ごとに収縮と弛緩を繰り返す運動です。収縮していた部分が次に弛緩し、弛緩していた部分が次に収縮するという動きを繰り返します。振子運動は縦走筋が収縮と弛緩を繰り返す運動です。
※編集部注※
当記事は、2016年10月6日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版