エコー(超音波)機器の特徴と取り扱い注意点

画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。
外来や病棟で、ナースが目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。
今回は、「エコー(超音波)機器の特徴と取り扱い注意点」についてのお話です。

 

加藤真吾
(横浜市立大学附属病院がんゲノム診断科)

 

ここでは、病棟や外来でナースが触れることがあるエコー機器について解説します。

 

エコーって、画面に影みたいな形のものが白黒で映っている、あの検査ですか?

 

そうです。なんとなく検査の画像は思い浮かぶと思います。

 

でも、あの画像って何が映っているのかわからなくて、難しそうです・・・。

 

エコーは画像の理解が難しい検査の一つですからね。
まずは、エコーの機器からみていきましょう。

 

〈目次〉

 

モニター、本体、プローブからなるエコー機器

私たちが受けることのある検査のなかで、エコー(超音波)検査は患者さんにとって負担がとても少ない検査の一つです。また、病棟や外来で行えるエコー検査は、検査のために入院が必要になったり、大きな機器を使用することもなく、簡単に行えます。ここでは、病棟や外来で扱うエコー機器について、解説します。

 

エコー機器は、エコー像を映すモニター部分と、各種スイッチなどがある本体部分、そして、患者さんの体に直接当ててエコーを出すプローブ部分、以上の3種類からできています(図1)。

 

図1病棟・外来で使用するエコー機器

 

病棟・外来で使用するエコー機器

 

モニター、本体、プローブの3つでできている。

 

(写真提供:富士フイルムメディカル株式会社)

 

ブローブの形は全部で3種類

エコー機器の中で、患者さんの体に当てる部分をプローブ(probe)と言います。エコー検査では、プローブから出たエコーが患者さんの体の中で跳ね返り、その跳ね返ってきたものを解析しています。

 

プローブには大きく分けると、図2の3種類があります。

 

図2プローブの種類

 

プローブの種類

 

A:コンベックス型、B:セクタ型、C:リニア型。

 

(写真提供:富士フイルムメディカル株式会社)

 

コンベックス(Convex)型(図2A)

主に、体表からの腹部や臓器のエコー検査時に使用するプローブ。接地面が大きく、扇状に広い視野(広角)の観察が可能。

 

セクタ(Sector)型(図2B)

主に、体表からの心臓エコー検査に使用するプローブ。接地面が小さく、扇状に広い視野(広角)の観察が可能。

 

リニア(Linear)型(図2C)

主に、体表血管に使用するプローブ。接地面が平で、視野幅を大きくとることが可能。

 

上記のように、プローブの種類は用途に分けて使い分けます。腹部には大きいプローブ(コンベックス型)心臓部には小さいプローブ(セクタ型)を使う、と覚えておくと良いでしょう。

 

エコー機器を扱う際の注意点

エコーは、コードが多い機器のため、コードが絡まないように注意しましょう。特に移動の際、台のローラーにプローブや電源のコードが引っかかることが多くあります。コードは手に持って移動しましょう

 

通常、エコー機器には、プローブをかけておくホルダーがついています。機器を移動する際は、必ずプローブをホルダーにかけておきましょう図3)。

 

図3エコー機器を移動する際のプローブの取り扱い方

 

エコー機器を移動する際のプローブの取り扱い方

 

良い例:プロープは横にあるホルダーにきちんとかけて動かす。
悪い例:エコー機器の上にプローブを置いたまま動かす。

 

プローブを機器の上に置き、不安定な状態のままで移動すると、プローブが床に落ちてしまうことがあります。プローブを落とすと、プローブが割れて壊れてしまいます。不安定な場所に置くのは止めましょう。

 

また、充電式のものは、使用後に充電しておかないと次に使うときにすぐ使えないことがあるので、充電することを忘れないように注意しましょう。

 

 

Check Point

  • エコー検査は患者さんの体の負担が少なく、簡単に行える便利な検査です。
  • プローブは、用途に合わせてコンベックス型、セクタ型、リニア型の3種類から選択します。
  • エコー機器を移動する際は、プローブは必ずホルダーにかけましょう。

 

[次回]

エコー(超音波)の性質と特徴

 

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[執筆者]
加藤真吾
横浜市立大学附属病院がんゲノム診断科

 


Illustration:田中博志

 


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