無菌操作を行うのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は無菌操作に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
無菌操作を行うのはなぜ?
滅菌された器材の滅菌状態を保ち、感染を拡大させないためです。
〈目次〉
無菌操作とは
使用する物品や使用部位を無菌状態に保ちながら操作することを無菌操作といいます。
滅菌された物品や部位に触れる手や器械・器具などは無菌であり、清潔・不潔のエリアを厳重に区別し、病原微生物の侵入や接触感染を防ぐことが目的で行われます。
無菌操作でのポイントとは
- 実施前には、必ず衛生的手洗いをし、マスクを装着します(「衛生的手洗いを行うのはなぜ?」図3参照)。
- 使用前に滅菌物品の有効期限や破損・浸潤の有無を確認します。
- いったん取り出した滅菌物のもとに戻してはいけません。
- 一度開封してから時間が経過したものは、不潔とみなして使用してはいけません。
- 滅菌物は使用直前に開封し、滅菌物が空気に触れる時間をできるだけ短くします。
- 滅菌物の上での操作を行わず、不潔なものとの接触を避けるようにします。たとえば、滅菌パックから取り出す際には、外装に触れないように真っすぐ取り出し、鑷子先端は常に下を向けておきます(図1)。
- 接触を避けるために、清潔で十分な広さのある場所で行い、会話を行わない。
- 滅菌物を取り扱う場所の清潔を保ちます。
- 滅菌物が濡れた場合や汚染された疑いのある場合は、汚染物として取り扱います。
- 汚染されたものは、誰が見ても汚染物だとわかるようにして処分します。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版