採血後、マッサージしてはいけないのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は採血後のマッサージに関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
採血後、マッサージしてはいけないのはなぜ?
採血後にマッサージが不要なのは
一般に皮下および筋肉内注射を行なった後には、注射部位を軽くマッサージしますが、これは薬液の吸収を助けるためです。
しかし採血では薬液を注入するわけではないので、マッサージする必要はありません。逆にマッサージすると、採血で損傷を受けた血管壁からの出血を促進させてしまいます。
採血後は止血が確認されるまでは、注射部位をアルコール綿などで5分間ほど軽く押さえ、止血後も局所を刺激しないようにすべきです。採血以外の静脈内注射あるいは皮内注射でも、注射部位のマッサージを行なってはいけません。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版