輸血して3~6か月後に、感染症のスクリニーングをするのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は輸血による感染に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
輸血して3~6か月後に、感染症のスクリニーングをするのはなぜ?
供血者がウインドウ期にある場合の輸血製剤による感染の有無をチェックするためです。
感染の有無の確認
血液製剤はその安全性の確保のため、感染源となるウイルスの有無などを厳重にチェックしたあと供給されていますが、供血者がウインドウ期にある場合の感染が問題となります。
ウインドウ期とは、感染しているが検査で陽性と判定されるまでの期間(すなわち感染していても検査結果としては陰性となってしまう期間)のことです。これらの血液製剤による感染のチェックのために、輸血前後でのB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびHIV(ヒト免疫不全ウイルス)関連の検査が必要となります。
輸血前1週間前後の検査や血清の保存が必要となり、これが陰性で輸血後3~6か月における検査で陽性であれば、輸血製剤による感染が考えられます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版