血小板製剤を輸血する場合、異型輸血 (ABO式血液型をあわせなくてもよい)が可能なのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は血小板製剤の輸血に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
血小板製剤を輸血する場合、異型輸血(ABO式血液型をあわせなくてもよい)が可能なのはなぜ?
血小板製剤では赤血球はほとんど含まれていないため、緊急時の異型輸血は可能ですが、ABO同型の製剤を使うことが原則です。
血小板製剤の輸血
血小板製剤の輸血に関しては、抗A抗体と抗B抗体の存在が問題になります。
しかし受血者の血清によって中和される状態になるので、通常は異型輸血を行った場合でも溶血などの副作用を起こすことはありません。ただし、O型では高力価の抗Aおよび抗B抗体をもっているため、溶血などの副作用を起こすことがあります。
原則的には、患者と同型のABO式血液型の血小板製剤を使用することになっていますが、次に安全なのはAB型(抗Aおよび抗B抗体がない)になります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版