年齢により呼吸数が異なるのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は年齢による呼吸数の変化に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
年齢により呼吸数が異なるのはなぜ?
新生児から学童期までは肺の発育段階であり、1回の換気量が少ないので呼吸数の増加で補うためです。
〈目次〉
年齢による呼吸数は
安静時における呼吸数は、新生児で1分間に35~50回/分、学童期で20回/分、成人で16~18回/分が平均値であるといわれています(表1)。
新生児の呼吸数が多いのは
新生児では呼吸数が35~50回/分と、成人と比較して2.5~3倍も多いのは、新生児の肺がまだ発育を始めたばかりなので、ガス交換が行われている場所である肺胞の数が非常に少なくなっているためです。
肺の成長は
胎児は羊水の中にいるわけですから、外呼吸はしておらず肺胞は閉じている状態です。生後、外呼吸が始まると肺の成長、つまり肺胞数が徐々に増加し、学童期を過ぎると成長は止まって一定化しますが、1回換気量はその後も増加を続けます。
これには呼吸筋の発達と胸郭の発育によって1回の呼吸がより深くなり、また呼吸法も変化するものと考えられます。
また、新生児の1回換気量は約25mLときわめて少量であり、成人の1回換気量は約450mLですから、20倍もの違いがあるといわれています。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版