平衡覚|感覚
看護師のための生理学の解説書『図解ワンポイント生理学』より。
今回は、平衡覚について解説します。
片野由美
山形大学医学部名誉教授
内田勝雄
山形県立保健医療大学名誉教授
Summary
- 平衡覚は身体のバランスを保つために必要な感覚で、感覚中枢は大脳皮質頭頂葉にある。
- 平衡感覚にかかわる器官は、重力を感知する前庭と角加速度を感知する半規管である。
- 半規管は3次元方向の角加速度を別々に感知するために3つある。
平衡覚とは
平衡覚は身体のバランスを保つために必要な感覚である。
平衡覚の感覚中枢は大脳皮質頭頂葉にある。平衡感覚にかかわる器官は前庭 (ぜんてい)と半規管である。
重力は1方向であるが、角加速度は3次元方向があるので半規管は3つあり、互いに直交し ている。三半規管とよばれるが、三半規管というものが1つあるわけではなく、半規管が3つ ある(表2)。
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めまいは、回転性のめまい(vertigo)と非回転性(浮動性)のめまい(dizziness)に大別される。回転性めまいは末梢性めまい、すなわち前庭神経核以下の前庭神経系に病 変が起こった場合によくみられる。
メニエール病 Meniere disease は、めまいや難聴を主訴とする疾患である。その原因は、内リンパ腔と外リンパ腔の間の透過性の亢進による内リンパ水腫である。反復する回転性のめまいが特徴である。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 図解ワンポイント 生理学』 (著者)片野由美、内田勝雄/2015年5月刊行/ サイオ出版