肺気量|基本量と基本容量|呼吸

看護師のための生理学の解説書『図解ワンポイント生理学』より。

 

[前回の内容]

ガス交換の力学的解析-換気力学の三要素

 

今回は、肺気量について解説します。

 

片野由美
山形大学医学部名誉教授
内田勝雄
山形県立保健医療大学名誉教授

 

Summary

  • 肺気量には4つの基本量と4つの基本容量がある。
  • 基本容量は基本量の組み合わせで表される。

 

〈目次〉

 

基本的肺気量

肺気量(肺中の空気の量)は、4つの基本量 volume (1回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量)と、それら基本量の組み合わせからなる4つの基本容量 capacity (最大吸気量、機能的残気量、肺活量、全肺気量)で表される。

 

  • 1回換気量(TV)
    安静吸息位(静かに呼吸をしているとき)の1回の呼出量あるいは吸入量。
  • 予備吸気量(IRV)
    安静吸息位から吸い込める最大量。
  • 予備呼気量(ERV)
    安静呼息位から吐き出せる最大量。
  • 残気量(RV)
    最大量を吐き出しても、肺の中のすべての空気が排出されるわけではない。この肺の中に残っている空気量を、残気量という。

表1基本量(volume)

基本量(volume)

 

表2基本容量(capacity)

基本容量(capacity)

 

 

スパイログラム

基本的肺気量を表したグラフをスパイログラムといい、換気能力の測定に用いられる。

 

図1肺気量分画(スパイログラム)

肺気量分画(スパイログラム)?

 

[次回]

最大努力呼出曲線と閉塞性肺疾患・拘束性肺疾患

 

⇒〔ワンポイント生理学〕記事一覧を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 図解ワンポイント 生理学』 (著者)片野由美、内田勝雄/2015年5月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ