肺気量|基本量と基本容量|呼吸
看護師のための生理学の解説書『図解ワンポイント生理学』より。
[前回の内容]
今回は、肺気量について解説します。
内田勝雄
山形県立保健医療大学名誉教授
Summary
- 1. 肺気量には4つの基本量と4つの基本容量がある。
- 2. 基本容量は基本量の組み合わせで表される。
〈目次〉
基本的肺気量
肺気量(肺中の空気の量)は、4つの基本量 volume(1回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量)と、それら基本量の組み合わせからなる4つの基本容量 capacity(最大吸気量、機能的残気量、肺活量、全肺気量)で表される(表1、表2)。
- 1回換気量(TV)
安静吸息位(静かに呼吸をしているとき)の1回の呼出量あるいは吸入量。 - 予備吸気量(IRV)
安静吸息位から吸い込める最大量。 - 予備呼気量(ERV)
安静呼息位から吐き出せる最大量。 - 残気量(RV)
最大量を吐き出しても、肺の中のすべての空気が排出されるわけではない。この肺の中に残っている空気量を、残気量という。
表1基本量(volume)
表2基本容量(capacity)
スパイログラム
基本的肺気量を表したグラフをスパイログラムといい、換気能力の測定に用いられる。
図1肺気量分画(スパイログラム)
※編集部注※
当記事は、2016年9月2日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
[次回]
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 図解ワンポイント 生理学』 (著者)片野由美、内田勝雄/2015年5月刊行/ サイオ出版