眼電図検査|眼科の検査
『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、眼電図について解説します。
高木 康
昭和大学医学部教授
〈目次〉
眼電図検査とはどんな検査か
眼電図検査とは、視機能や眼球運動機能をみるための、他科における心電図や脳波検査のような電気生理学的検査である。一般的な診察では診断不可能な場合の補助検査である。
眼電図検査の目的
網膜、脈絡膜疾患の診断や予後の判定、眼球運動の解析に使用される。例えば、ぶどう膜炎や網膜色素変性の程度や進行状況について調べる検査である。
- ①網膜色素上皮原発疾患の診断
- ②網膜ジストロフィーの診断
- ③眼薬害の早期診断
眼電図検査の実際
- 眼球運動測定の場合は眼の両側に8個の電極を置き、眼球をメトロノームなどのリズムに合わせて一定の角度で動かす。眼前に視標を示し、両眼で視標を追いかけるように指示する。
- 網膜色素上皮機能測定の場合はやはり8個の電極を置き、暗順応下と明順応下で10〜15分記録する。
眼電図検査時の看護
- ①検査方法の説明を行い、理解と協力を得る。神経質になると正確に測定できない場合もあるのでリラックスさせるように努める。
- ②検査後、電極装着部の皮膚の清拭を十分に行う。
- ③散瞳薬を使用する場合には、十分散瞳を確認し、散瞳後の注意を忘れずに行う。
- ④表面麻酔薬を使用した場合にも点眼前後の注意を行う。
- ⑤検査後は感染予防のため抗生物質の点眼を行う。
- ⑥幼児の場合、機嫌を損ねないように音楽などであやす。
<準備するもの>EOG電気眼球運動計
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版