幅広QRS波の心電図|不整脈の心電図(8)
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心電図が苦手なナースのための解説書『アクティブ心電図』より。
[前回の内容]
今回は、幅広QRS波の心電図について解説します。
田中喜美夫
田中循環器内科クリニック院長
幅広QRS波の心電図
不整脈を解読する場合、まず全体を見て、P波を探して洞性P波かどうか判断して、PP間隔、PQ間隔をチェックして、QRSの波の幅を確認しますね。
心室の興奮波であるQRS波は、ヒス束~脚~プルキンエ線維を正常に伝導すれば、素早く興奮が心室に伝導するためQRS波幅は狭いはずです。つまり、QRS波の幅が広いということは、心室に興奮が伝導するのに時間がかかっていることを意味します。この幅の広いQRS波(ここでは3コマ以上のQRS波とします)を2つに分けましょう(図1)。
1つは、心房からの興奮が心室に伝導されていて、なんらかの原因で心室の興奮に時間がかかる場合(上室起源の幅広QRS波)です。もう1つは、心室から発生した興奮で、ヒス束~脚~プルキンエ線維を通らなかったため時間がかかり、幅広QRS波になる場合(心室起源の幅広QRS波)です。
上室起源の場合は心房波のP波との関連がありますが、心室起源の場合はP波とは無関係の幅広QRS波、つまり房室解離が見られるという特徴があります。
まとめ
- 幅広QRS波は、上室起源と心室起源の2つに分ける
[次回]
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『アクティブ心電図』 (著者)田中喜美夫/2014年3月刊行/ サイオ出版