2018/05/27 のクイズ
- 1. 入院時の保育器36~37℃で設定し、体温管理に注意する。
- 2. 同一部位でのテープ固定を徹底する。
- 3. 感染を起こさないよう、気温と湿度に注意する。
- 4. 不感蒸泄などによる水分損失に注意する。
挑戦者4436人 正解率61%
- 1. 入院時の保育器36~37℃で設定し、体温管理に注意する。
-
不正解
胎脂は在胎28週以降に分泌され、出生後の新生児の体表面から水分損失を防ぎ、体温の維持を行います。しかし、超低出生体重児・極低出生体重児(以降、超・極低出生体重児)は在胎28週未満で出生するため、胎脂の分泌が不十分であることから、出生後の体温変動、感染へのリスクが高くなります。そのため、体温管理には注意が必要です。入院時の保育器は36~37℃で設定し、状況に合わせた設定に変更するようにしましょう。
- 2. 同一部位でのテープ固定を徹底する。
-
正解
超・極低出生体重児は、表皮の角質層が薄いことに加え、表皮と真皮の結合部の形態が未熟であるため、点滴や挿管などで使用する粘着テープを表皮から剥離する際、簡単に表皮剥離を起こしてしまいます。そのため、固定テープを剥がす際は、皮膚損傷を起こさないよう注意します。また摩擦や圧迫などの物理的刺激によっても発赤や水疱を生じやすいです。圧迫により褥瘡など引き起こす原因となる、センサーなどのテープ固定部位などは、装着部位を変え、皮膚の観察を行うことが重要です。
- 3. 感染を起こさないよう、気温と湿度に注意する。
-
不正解
超・極低出生体重児などが必要とする保育器などの高温多湿の環境は、感染の点から考えると細菌や真菌を増加させる状態といえます。通常、表皮は酸性を維持することで、細菌やウィルス、真菌などの侵入を防御しています。しかし、超・極低出生体重児は表皮が薄いだけでなく、機能的にも未熟なため、病原菌が侵入しやすく、感染を起こしやすくなります。そのため、高温多湿の状況には注意が必要です。
- 4. 不感蒸泄などによる水分損失に注意する。
-
不正解
表皮の角質層には、体内の水分や体温を保持する働きがあります。しかし、超・極低出生体重児はこの角質層がとても薄いため、不感蒸泄や熱損失に大きな影響を受けやすいです。不感蒸泄は、在胎週数が若く、出生体重が小さいほど多くなるといわれています。不感蒸泄が増加することは、脱水だけでなく、体内の熱の損失につながります。そのため、低体温に陥りやすいので注意が必要です。
引用参考文献など
1)関佳子.「体温・皮膚」.特集:こどものからだの生理と日常ケアの根拠.こどもケア.7(1),2012,58-66.
2〉宇都宮剛.ハイリスク新生児の安定化.Neonatal Care.25(5)2012,82-87.
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