状況設定問題（183問）　特別な状況下の子どもと家族への看護

第99回午後108問

次の文を読み問題3に答えよ。
3か月の乳児。意識障害のため搬入された。母親は「昨日30cmの高さのソファから転落したが普段と変わりない様子だった。今朝になって様子がおかしいので救急車を呼んだ」と看護師に話す。頭部CTを施行後、医師から「頭蓋内に出血箇所が複数あり、意識障害を起こしている。このまま出血が広がるようなら手術の必要がある」と病状説明がされた。

問題3
小児病棟に入院すると、母親は携帯電話を気にしながら「早く家に帰らないと夫にしかられる」と話し、看護師が病室を離れた間に「明日また来ます」というメモを残して帰宅してしまった。

対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.　児への虐待の可能性があると児童相談所に通告する。
2.　母親に児への虐待を疑っていることを電話で伝える。
3.　母親が面会に来たら育児環境について話し合う。
4.　電話をかけて母親を病院に呼び戻す。
5.　母親にDVシェルターを紹介する。

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解答・解説

1.　児への虐待の可能性があると児童相談所に通告する。: 子どもの病状、母親の発言や行動から、虐待の可能性が高いため、子どもへの虐待の可能性があると児童相談所に通告する。医療者には児童虐待防止法で「児童虐待の早期発見」と「児童虐待の通告」という役割がある。
2.　母親に児への虐待を疑っていることを電話で伝える。: 母親に、子どもへの虐待を疑っていることを聞くのは電話で行う内容ではない。また、母親に虐待の疑いを直接的に聞くことは、適切ではない。
3.　母親が面会に来たら育児環境について話し合う。: 子どもへの虐待の可能性があるため、母親が面会に来たら育児環境について話し合うことは、適切である。
4.　電話をかけて母親を病院に呼び戻す。: 「明日また来ます」というメモがあるため、母親に電話をかけて病院に呼び戻すことの優先度は低い。
5.　母親にDVシェルターを紹介する。: 母親からの「早く家に帰らないと夫にしかられる」という発言から、夫からのDV（ドメスティック・バイオレンス）を受けている可能性がある。しかし、母親にDVシェルターを紹介するまでの判断は、現時点で適切な対応ではない。