師長の家族関係、闇深すぎ…|マンガ・ママナースもも子の今日もバタバタ日誌(22)

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子どもの結婚式に呼ばれなかったことに涙する師長。師長の家庭は複雑なようで…

もも子に背を向けながら、師長はとつとつと語った師長の身の上話を話し始めました。28歳で結婚、同じ時期に病院が拡大して病棟を増やしたため、主任に昇格し少し不安ながらも嬉しくて張り切っていた師長でした。

そして、師長にラッキーは続き、なんと妊娠もしました。師長のお腹に耳を当てながら、子どもの性別はなんだろうとはしゃぐ旦那に対して、「心音はまだ聞こえないわよ。」と師長も嬉しいそうに笑います。姑は『女性は家を守るべき』という思想の持ち主で、「妊娠したのなら、仕事を辞めなさい。」とここぞとばかり辞めろとせがんできました。「赤ちゃんになにかあったらどうするの?」という姑に「大丈夫ですよ。皆やっていることですし」と説得しました。

病棟増設と慣れない主任業務でくたくただったけれど、同僚たちからの「あなたが働くママの代表になって、女は働いても子育てと両立できると、証明してみて。」という励ましに、『皆のためにもがんばろう。赤ちゃんもがんばってね。』と思いますが、当時主任クラスで結婚している人は少なく、人が足りなければ、師長が夜勤に出て、主任業務もこなしていました。そして…

ある時、気がついたら出血し、ふくらはぎまで出血している事に驚き、診察を受けると、「残念ですが、心音がしません…」と赤ちゃんを流産してしまいました。ショックを受けた師長は、その出来事に信じられずにいると、家でわけを話すと姑に「だから言ったでしょ!?あれだけ辞めろって!!」とひどく怒鳴られました。

さらに「人殺し!!自分の子どもを殺すほど、仕事が好きなのかい!?」とひどく責められ、何も言えずうつむく師長。その様子を側で聞いていた師長の旦那が、「もういいよ母さん…。」と止めました。そして「コイツなじったところで、もう赤ちゃんは戻ってこないんだから、もういいよ…。」と新聞に目を向けながら、言い放つのでした。

静かに師長の身の上話を聞いていたもも子も、「…ひどい…ですね旦那さん。」と師長に共感しました。すると師長は、「若い頃はそんなもんよ…一時期は仕事も辞めようと思ったけど、家にいると赤ちゃんのことを思い出して辛くて、逆にどんどん仕事にのめり込んだの…。」「それが更なる不幸の前ぶれで…」とつぶやきました。師長の言葉に、『まだ何かあるの?師長!!』と青ざめるもも子なのでした。


【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

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