静かな夜に|マンガ・ぴんとこなーす【99】

大晦日。人の少なくなった病棟に、特別な時間が訪れます。

静かな夜に

大晦日の夜、ナスさんは入院中の患者さんとお話しています。「今日は寒そうね」と患者さん。ナスさんは、「そうですねー。外は結構冷えてますけど…」とブラインドを指で抑えて窓の外を覗きました。窓の外を見て、『あ、雪だ』とナスさんは雪が降っていることに気がつきます。台風などでテンションがあがるナスさんは、驚いて「雪です!雪!」と患者さんに声をかけます。でも、患者さんは、「あら、じゃあ冷えるわねー」と少し心配そう。ナスさんは、「まだちらちらですけど、月も出ててすごくきれい!」ととても嬉しそうです。すると、患者さんがぽつりと「へぇ…見てみたいなぁ。」つぶやきました。

患者さんのつぶやきを聞いたナスさんは、「え?じゃあ車いすで見に行きません?」と提案します。「こんな時間に?ナスさん大丈夫なの?」と少し心配そうな患者さん。ナスさんは、「今日は患者さん少ないんで大丈夫です!」と患者さんを車椅子に乗せ連れ出しました。2人は、すれ違った看護婦さんに「お散歩いってきまーす。」と声をかけました。「あら、夜のお散歩?」とすれ違った看護婦さんから返事が返ってきました。それを聞いて患者さんは、「ふふ、こんな時間に悪いことしてるみたいね。」と少しワクワク楽しそうです。ハイテンションのナスさんも「今日は特別に私たち、悪い子なんでーす♪」と返事をしながら車椅子を押していきます。すると、患者さんは、「あ」と何かの存在に気がつきます。「やっぱり!こっちの窓からの方が断然きれいですよ!」と得意気に話すナスさん。明るく顔を照らされながら患者さんは、「本当ね…家ではこんなにに眺めよくないから、なんだか入院してて得しちゃったみたい」と感動したように言いました。

患者さんの顔を明るく照らす存在。それは、夜空に大きく光る月でした。はらはらと雪が降る夜空に浮かぶ綺麗な月をナスさんと患者さんは、じっと見つめていました。病院にも時々、ゆっくりした時間が流れることがあります。

 

 


【著者プロフィール】

ぷろぺら(@puropera44

現役で病棟看護師やってます
ぴんとこなーすをどうぞよろしくお願いします!

Twitter[https://twitter.com/puropera44

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