ことの発端|〈マンガ〉モンスター患者~みんなが困り果てた金田さんのこと~【1】

看護師なら一度は経験したことがある「対応に苦慮する患者さん」。

スタッフみんなが困り果て、疲弊した出来事について連載マンガでお伝えします。

 

マンガ・モンスター患者~みんなが困り果てた金田さんのこと~

Vol.1 ことの発端

漫画家でもあり看護師でもある「私」、広田奈都美。訪問看護の取材で持田さんというナースに会うため東京に向かいます。ですが、とある事件で看護師としての自分に自信がなくなり、心中は落ち込んでいました。そして、初めて会った持田さんの第一印象は、「すごく大きなパワーのありそうな方」。思わずドキッとします。

 

持田さんへの取材はとても興味深く、楽しいものでした。取材が落ち着いたころ、ふと頭をよぎった『今 抱えている私の悩み』…。悩んで立ち止まったりした経験はありますか、という質問に「勿論あるわよ。ありすぎて答えられない!!」と答えた持田さんに、つい、聞いてしまいました。「例えば……困った患者さんとかいませんか?」

 

「困った患者さんって……どういう困ったなの?」と聞き返す持田さん。「例えば怒鳴ったり暴言を吐いたりする人とか…」と私が言うと、「そういう人は何かストレスを抱えてたり訴えたいことがあるって考えるけどなー」と答えます。ベテランナースらしい優等生的な答えに、本当に困っている患者さんのことは言わず、無難にやり過ごそうと思いました。『どうせ私達の理解不足や至らなさを責められて終わるんだから…』と。しかし、「どんな人なの?」とすかさず踏み込む倉持さん。

 

「いるんでしょう?その困った患者さん。どんな人なの?」。持田さんは、私が特定の「困った患者さん」に悩んでいることに気づいたようです。「教えて教えて、どんな人?」と聞いてきます。そう、とある困った患者さんのことで、私と仲間のスタッフ達はほとほと困っていたのです。

 

持田さんがいう傷ついた心を持つ患者さんというものに、患者という立場なら何を言っても受け入れなくてなならないのかと疑問と反抗心が少し芽生えた私は、躊躇しながら「実はその困った患者さんという方は…元看護師だった人です。」と理由を話すことにしたのでした。

 

(編集部注)

この物語は、事実を基にしたフィクションです。関係者に合意を得たうえで、プライバシー保護に十分配慮して創作しています。

 


【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

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