おうちで死にたい~訪問看護の現場から~【3-2】

前回の話

末期がんの松村さんは、訪問のたびに「ぼく、もうすぐ死ぬんだって…」と問いかけてきます。

花は松村さんの気持ちにどう寄り添えばいいのでしょうか…?

 

「自分が生きられる可能性を探っている」と先輩の持田に教えられ、花はますます患者さんにどう接するべきか悩みます。

 

花は仕事の悩みを友人ナースに打ち明ける。しかし、「病棟やオペ室と違って、訪問は患者さんとゆっくり会話できるのがいいよね」と言われて、花は看護師と人間としてではなく、「人間対人間」として向き合うべきではないかと気がつく。

 

花は人間対人間として向き合ったら…と考えた末に、「松村さんはまだ死にたくないのだ」とわかる。次の訪問時、松村さんの奥さんから「持田さんが薬を入れると痛みがやわらぐって言うの」と教えられる。

 

「効きますようにってかけているおまじないが聞いているのかしら」と持田。持田は身体を拭くときも、丁寧に心を込めている。

 

「よくなりますように…」と心を込めたケアをする持田。その想いは患者さんにも伝わるのだ、と花は気が就く。

 

訪問看護ステーションに戻ると、先輩の馬淵が戻ってきている。花は安心してつい、「失敗続きで…」と弱音を吐いてしまう。

 

花の話を聞いた馬淵は、「働いていたら悩みはつきない、でも患者さんのおかげで成長できる」と教えてくれる。「もっと自分の無能を認めなさい」と厳しい言葉も。

 

「しばらく持田さんと一緒に回って」と馬淵に突き放される花。しかし数日後、松村さんの状態が良くないことを聞く。

 

松村さんは、ここ数日で一気に具合が悪くなっている。花はまだ、「自分に何ができるのか」と悩んでいる。

 

自分と松村さん、ひとりの人間と人間として…考えた末に花は、松村さんに「いる間だけ、手を握っていていいですか?」と尋ねる。

 

ひとりの人間と人間として、自分に何ができるか…考えた末に、花は松村さんの手を握りました。

松村さんの反応は…?

【3】へ続く

 

 

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【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

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