職場の特徴や転職の難易度を解説 看護師で「夜勤なし」って実際どう?
病棟で働く以上、避けては通れない夜勤。生活リズムの崩れによる疲労や、受け持ち人数の多さによるプレッシャーから「夜勤なしで働きたい」と感じる看護師さんは少なくありません。結婚や子育てを機に、夜勤のある働き方が難しくなる人もいるでしょう。
看護師が「夜勤なし」で働ける職場について、それぞれの特徴、年収、転職の難易度などを解説します。
目次
看護師が「夜勤なし」で働けるのはどんなところ?
看護師が「夜勤なし」で働ける代表的な職場は次のようなものです。詳しく見ていきましょう。
〈看護師が「夜勤なし」で働ける職場〉
クリニック
科目ごとに外来診療を行うクリニックは、スタッフ数が少なく一通りの業務を1人でこなすことが求められます。
医師の診察補助や採血・点滴といった看護業務以外にも、患者さんへの説明や薬剤・備品の管理、受付のサポートや清掃まで、幅広い仕事を手際よく行うスキルが身につきます。
また、休診日にあわせて休日が固定の職場が多いため、予定を立てやすいのも嬉しい点です。
一方、少ないスタッフが同じシフトで働いていることもあり、1人が休んだときの穴が大きく、固定休以外でのお休みや早退がしづらいことがあります。
転職難易度は?
クリニックは欠員募集が中心で求人数が少ない中、応募者は多いため採用倍率は高めです。また、基本的には「臨床経験3年以上」の即戦力が求められます。
加えて、クリニックでは毎日同じスタッフと顔を合わせて働くことになります。人数が少ない分、良好な人間関係を築けるよう、コミュニケーション能力や協調性が必要になるでしょう。
美容クリニック
美容クリニックは、サービス業としての側面が強いため、ハイレベルな接遇マナーやコミュニケーション能力が求められます。
予約制のため残業も少ないところが多いですが、病棟と同等レベルの高い給与が期待できます。また、最新の美容医療の知識を日々アップデートできるため、美容に興味のある人には大きなやりがいを感じられる職場でしょう。
一方、美容クリニックでの職歴は看護師の経歴としてカウントされにくい一面も。病棟に戻る際、選択肢がやや少なくなるケースがある点には、注意が必要です。
転職難易度は?
美容クリニックは都市部を中心に年々数が増えているため、求人数は多めです。
ただ、人気が高く応募者が多い上に、採用側もクリニックの理念や雰囲気に合う人を採用しようと選考に力を入れているため、転職難易度は高めです。
接遇マナーやコミュニケーションの丁寧さが重視されるので、面接での言葉遣いはもちろん、姿勢や表情、身だしなみにも気を配りましょう。
訪問看護
訪問看護では、利用者さんの生活の場で一人一人にじっくり寄り添う看護を提供するため、丁寧な人柄やコミュニケーションスキルが求められます。
高齢化とともに在宅医療のニーズは増す一方で、時代のニーズに合った経験を積めることは、看護師のキャリアとして大きな強みになります。
ひとつ注意したいのが、訪問看護ステーションによっては夜間の「オンコール」担当があるという点。電話対応のみで済み、実際に出動するケースは少ないですが、オンコールの有無や回数、手当などについては事前によく確認しましょう。
転職難易度は?
都市部を中心に訪問看護ステーションの数が増えているため、求人数は多めです。
また、大手の法人で教育体制が整っているところや、精神疾患やリハビリを中心に扱っているところであれば、新卒採用も行っているなど臨床経験が浅くてもチャレンジできるケースが珍しくありません。
一方、ターミナル期などで重症の患者さんが多いところでは、3年~5年の臨床経験を求められるので、応募条件をよく確認しましょう。
介護施設
介護施設は施設によって入居者さんの医療依存度や要介護度が異なり、看護師の働き方もさまざま。「夜勤なし」で働ける代表的な介護施設としては、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどが挙げられます(※)。
※有料老人ホームでは夜勤体制を敷く施設も増えてきています。
医療現場というよりも「生活の場」としての側面が強く、終のすみかとして長期的に入居する方も多いため、入居者さんが自分らしく生活できるよう、一人一人に寄り添った看護が実践できます。
看護師の業務内容は、健康管理やバイタルチェックがメイン。医師が常駐しておらず看護師も少ないため、はじめのうちはプレッシャーを感じることもあるようですが、高度な医療処置が必要な場面は多くありません。
施設長や非常勤医と連携を取りながら、医療の観点から介護士のサポートをする役割で、比較的落ち着いた働き方ができるでしょう。
ただし、施設によってはオンコール体制を取っているところもあるため、回数や手当の金額をよく確認しましょう。
また、介護施設の中でも、介護老人保健施設は医師が常駐で看護師の数も多く、病院に近い働き方です。夜勤がある施設が一般的ですが、中には「日勤のみ」の求人もあるのでチェックしてみましょう。
転職難易度は?
介護施設はニーズの高まりから施設数が増えており、求人数は多め。一定の臨床経験が求められるケースが一般的ですが、大手の法人で教育体制がしっかりしている施設などであれば、その限りではありません。
気になる施設があれば、応募条件をよく確認しましょう。
保育園
たくさんの乳幼児を預かる保育園では、子どもの成長を見守れるという他にはないやりがいがあります。
看護師の役割は園児の健康管理や保健指導、急病やけがへの対応ですが、実際の仕事内容は食事・排泄のサポートや読み聞かせといった保育業務がメインになるでしょう。健康な園児を相手にするため、病棟で行うような医療行為はほとんどありません。
ただし、保育園で働く看護師は基本的に1人のみ。同じ目線で相談できる人が周りにおらず、仕事に慣れないうちは心細さを感じることもあるかもしれません。
転職難易度は?
保育園への看護師配置を推奨・義務化している自治体であれば、都内を中心に求人が増えてきています。
医療行為がほとんどないため、臨床経験が少ない場合や、離職期間があって復職する場合でも応募できるケースが一般的です。小児科の経験も不問です。
乳幼児の世話だけでなく、保護者への的確な対応も求められるため、子育て経験がある場合は優遇されることもあるようです。
手術室
手術室では手術をスムーズに進行するため、チームワークを意識しながら正確かつスピーディーに動くことが求められます。
診療科目の多い病院では、担当する手術の科目や症例もさまざま。医療技術・医療機器も日々進歩するため、幅広い知識を身につけることができます。
一方、患者さんへの声がけは手術の前後に限定されるため、コミュニケーションにやりがいを感じる人には物足りなさを感じる場合もあります。
オペナースは専門性が高い分、次の転職時に手術室以外を選びづらくなる側面もあるようです。
また、病院によってはオンコール体制や夜勤体制をとっているところもあります。「手術室=夜勤なし」と判断せず、求人の内容をきちんとチェックしましょう。
転職難易度は?
手術室は基本的に欠員募集で、求人数は多くありません。また、専門的な業務内容ということもあり、経験者が優遇されるケースが多いでしょう。
ただし、看護師が多くサポート体制の整った病院であれば、未経験でも応募できる場合があります。気になる求人があれば、応募条件をよく確認しましょう。
病院の外来
病院の外来は毎日多くの患者さんが来院する場所。スピーディーな対応力が求められるため、テキパキと働きたい方におすすめです。
仕事内容としては医師の診察補助が中心で、採血や点滴をメインに行います。身体介助やベッド移乗、オムツ交換といった力仕事を行うこともありますが、病棟ほど多くはありません。
一部の病院では担当する診療科が多く、内視鏡室との兼務など業務の幅も広いため、クリニックよりはやや慌ただしくなることもあるでしょう。
短時間で患者さんの希望や心配ごとを汲み取る必要があるため、アセスメント能力やコミュニケーション能力を磨ける半面、一人一人との関係はどうしても薄くなりがちです。
また、採血や点滴以外の知識・スキルを活かしにくい点にも注意が必要です。
転職難易度は?
病院の外来は病棟からの異動が多く、募集も欠員補充がメインで求人数は少なめです。募集状況をこまめにチェックしましょう。
看護師が多くサポート体制が整った病院であれば、臨床経験が浅い場合でも応募できることがあります。
「日勤のみ」の病棟
病棟でも、夜勤なしで働けるところが増えています。病棟の業務には看護師の基礎が詰まっており、看護師としてまんべんなくスキルアップしていきたい方に向いているでしょう。
一口に「病院」と言っても、療養型や精神科など、その規模・機能・特徴によって、働き方も大きく異なります。
さまざまな条件から自分に合った職場を探しやすい半面、希望に合わないところに転職したときのギャップも大きくなるため、しっかりとした情報収集が大切です。
転職難易度は?
看護師不足が続く中、少しでも病棟の人員を確保しようと、近年では「日勤のみ」でも募集している病院が増えてきています。
看護師が多くサポート体制の整った病院では、臨床経験が浅くても応募できるケースも。気になる病院があれば「日勤のみ」での募集がないか、臨床経験は何年以上必要なのかをチェックしましょう。
透析室・透析クリニック
透析室や透析クリニックでは、人工透析の治療をマニュアル通りにきちんと行うことが求められます。
突発的な業務が発生しにくいため、残業が少ない職場が多く、プライベートと両立しやすいでしょう。基本的には日曜休みで、他の曜日は祝日を含めシフト制をとっているところが一般的です。
中には準夜勤や「9:00~21:00」などの「通し勤務」がある職場もあるので、求人の内容をよく確認しましょう。
透析患者さんは週3回ほど定期的に通院するため、一人一人に対する丁寧な関係性づくりや、生涯にわたる長期的なサポートが可能です。その半面、ルーティンワークを単調に感じてしまう側面もあるでしょう。
転職難易度は?
病院の透析室は基本的に欠員募集で、求人数は多くありません。一方、透析専門クリニックは運営法人が大きいところも多く、求人数は比較的多めです。
シャント穿刺といった専門的な医療行為があるため、一般的には経験者が優遇されますが、サポート体制が整ったところなら、未経験者でも応募できる場合があります。
内視鏡室・内視鏡クリニック
内視鏡室・内視鏡クリニックの看護師は、内視鏡の検査・治療がスムーズに進行するよう医師のサポートを行います。
「消化器内視鏡技師」の取得を目指せるなど、内視鏡に関する専門性を高められる上に、技術革新が著しい内視鏡治療について、最新の技術や知識を学ぶことができます。
一方、消化器専門クリニックの内視鏡室などでは、1日の予約件数が多いことも。予定時刻通りに検査・手術が終わるよう、スピーディーな対応が求められるため、その慌ただしさを「忙しい」「患者さんとじっくり関われない」などと感じる人もいるようです。
転職難易度は?
病院の内視鏡室はそもそも数が少ないことに加え、基本的に欠員募集で、求人数は多くありません。内視鏡を扱う胃腸科系のクリニックなども増えてはいるものの、求人数としては少なめです。
また、内視鏡検査・治療は専門的な業務も多く、経験者が優遇されるため、転職の難易度は比較的高めです。「上部・下部消化管どちらの経験もある人」「内視鏡技師の免許を持っている人」など、応募条件が細かく設定されているケースもあります。
ただし、看護師が多くサポート体制の整った病院であれば、未経験者でも応募できる場合があります。
健診センター
健康診断を行う健診センターでは、限られた時間で予約人数分の対応が終えられるよう、効率よくテキパキと動くことが求められます。
健康な人を対象にしているため、命に関わるプレッシャーを感じる場面は少ないでしょう。また、健康診断では採血を必ず行うため、採血が得意な方や採血スキルを鈍らせたくない方にはピッタリの職場です。
半面、健康診断は流れが決まっており、業務内容も変わらないため、ルーティンワークに物足りなさを感じる人もいるようです。
転職難易度は?
健診センターは基本的に欠員募集のため、求人数は少なめです。派遣でまかなわれているところも多く、常勤で働ける職場を見つけるのはやや難しいでしょう。
また、採血スキルは必須。場合によっては「翼状針ではなく直針のスキルが欲しい」など、細かな指定があるところもあります。
他にもいろいろ!「夜勤なし」の職場
看護師が「夜勤なし」で働ける職場には、他にも下記のようなところがあります。
求人が少なかったり、別の免許取得が必要だったりと、転職のハードルはやや高いものの、気になるものがあればチェックしてみましょう。
看護学校で教員として働く看護師です。
教育現場での仕事となるため、講義やその準備、実習の付き添いなど、教員としての業務がメインになります。出欠や成績管理などの事務作業が多いのも特徴です。
看護教員になるには、大学で教育に関する科目を履修するか、臨床経験を5年以上積んだ上で専門の研修を受ける必要があります。また、学校によっては教員免許が必要な場合もあります。
求人自体はありますが、知人の紹介や卒業生の採用なども多い傾向にあるようです。
主に新薬の治験に携わる仕事で、いずれも薬剤師あるいは看護師の免許が必須資格とされています。
治験コーディネーター(CRC)は医療機関や治験施設支援機関(SMO)などに所属し、治験がスムーズに進行するよう、製薬会社と治験担当医師、被験者の間に立ってさまざまな調整業務やサポートを行います。
臨床開発モニター(CRA)は製薬会社や受託臨床試験実施機関(CRO)などに所属し、治験がスケジュール通りに進行しているか、ルールや薬機法を守り適切に実施されているかなどをモニタリングします。
医薬品による医療分野全体の発展に長期的に貢献したいという人に向いているでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、新薬の開発や治験のニーズが増えたため、求人数は比較的多めで未経験でも転職可能な場合があります。ただ、一般企業への就職に近いこともあり、教育コストの観点から20代までの応募としているところが多いようです。
民間企業に所属し、従業員に対して保健指導や医療処置を行う看護師です。
ただ、近年は人件費の観点から医療機関に外部委託している企業も多く、産業看護師という言葉自体、あまり使われなくなってきています。求人もほとんどなく、あっても非常勤や契約社員が多いでしょう。
また、保健師資格が必須の求人が多く、未経験では採用されにくいのが実態です。
産業看護師の中にはテーマパークに常駐し、体調を崩したりケガをしたりした来訪者の手当を行う看護師もいます。
都道府県や市区町村の役所に所属し、医療福祉課、保健医療課などで働く看護師です。
地域の公衆衛生や感染症にまつわる公共事業・政策の企画立案・実施や、そのための家宅訪問や分析調査などを行います。
「会計年度任用職員」という有期雇用での募集が多いようです。
保健所で働く看護師もいます。看護師免許のほかに、保健師免許が求められるケースも多いようです。
保健所では主に、結核などの感染症に関する積極的疫学調査をはじめとし、患者の登録や保健指導、管理検診といった患者管理、相談記録作成などを行います。
2020年以降は新型コロナウイルス関連の患者対応、書類作成・データ入力などの業務も行っています。
厚生労働省の本省や地方厚生局で働く、看護師免許を持った行政官です。看護師として一定の経験年数がある人を対象に募集されています。
看護系技官は事務官や医系技官と協力しながら、主に医療・福祉・介護・保健にまつわる制度の改善や創設、そのために必要な調査や分析、資料の作成などを行います。
担当領域は医政局や健康局、子ども家庭局や老健局など、配属部署によってさまざまです。
ツアーナースとは、個人や団体からの依頼に応じ、旅行やイベントなどに同行・待機し、体調管理や環境整備、応急手当(一次救命処置に限る)などを行う看護師です。
基本的には派遣契約や業務委託契約で働くことになります。ツアーナースの派遣サービスや求人サイトなどから、自分の希望に合う求人を選ぶのが一般的です。
いわゆる「保健室の先生」。教育現場で保健管理や保健教育を担い、生徒のけがや体調不良に対する応急手当、健康診断や保健指導を行います。
看護師というよりも教員としての役割が大きくなるため、生徒の健康管理だけではなく、心身の健やかな成長のためのサポートや指導が求められます。
養護教諭になるには、養護教諭養成課程のある大学・短大・専門学校で学び、養護教諭免許を取得した後、教員採用試験に合格する必要があります。
「夜勤なし」って実際どう?
「夜勤なし」の職場は、実際働きやすいのでしょうか?転職できるのでしょうか?「夜勤なし」の職場のメリット・デメリットや、求人数の実態を紹介します。
生活リズムが整いプライベートと両立しやすい
「夜勤なし」の職場では、夜勤によって生活リズムが崩れることがないため、体調管理がしやすくなります。
また、恋人や家族と一緒に過ごせる時間が増え、プライベートとの両立もしやすくなるでしょう。
働く職場としても、急性期病棟のような急変対応は発生しないところが多いため、忙しさやプレッシャーの改善も期待できます。
夜勤がない分、年収は下がる
「夜勤なし」の職場では夜勤手当がなくなるため、病棟に比べると100万近く年収が減ってしまいます。
収入が下がることがネックの場合、「夜勤なし」でも比較的給料の高い有料老人ホームや訪問看護、美容クリニックなどを検討してみてもいいかもしれません。
また、病棟の入院患者に対して行うような医療行為は比較的少ないため、仕事内容に対するギャップにも注意が必要です。
どんな働き方になるかは、転職先によって異なるので、具体的にイメージできるようになるまで、病院見学なども含めて情報収集を徹底しましょう。
「夜勤なし」の求人数は増えてきている
「夜勤なし」の求人は、都市部を中心にここ数年で増えてきています。
その背景にあるのは、在宅医療ニーズの拡大です。訪問看護ステーションに加え、有料老人ホームなどの介護施設も数を増やしています。
また、技術の進歩、低価格化によって美容医療が身近になったことで、人が集まる都市部では美容クリニックの進出がますます進み、その分看護師の需要も伸びています。
加えて、共働き世帯が増えたことにより、0歳児保育で看護師必置の自治体でも、保育園の数だけ看護師が求められています。
病棟以外にも看護師の活躍の場が広がり続ける中で、少しでも人材を確保しようと「日勤のみ」でも応募可能な病院も増えています。
こうした時代背景もあり、看護師が「夜勤なし」で働ける職場は近年増えてきています。
新卒でも、訪問看護や美容クリニックであれば「夜勤なし」で働くことができます。ただし、全体としては数は少なめです。
訪問看護や美容クリニックは年々ニーズが拡大していることもあり、規模の大きな大手法人を中心に、新卒採用を行っているところが増えてきています。
また、病院であっても手術室や透析室、外来に配属された場合は「夜勤なし」で働くことができます。ただ、手術室は比較的希望できるところはあっても、透析室や外来に新卒で配属されることは稀でしょう。
「夜勤なし」の職場に転職する前に…
最後に、「夜勤なし」の職場への転職を決める前に、考えておきたいポイントを紹介します。
仕事に対する優先度を整理しよう
「夜勤なし」の職場に応募する前に、「夜勤がないこと」以外に仕事に求める条件がないか、よく考えましょう。
「夜勤がなければどこでもいい」などと、「夜勤なし」の職場に飛びついてしまうと、転職後に「こんなはずではなかった…」などと、ギャップを感じて後悔することになりかねません。
仕事内容や給与、病院の方針・看護観、勤務地や通勤時間など、自分がどの条件を重視しているのか、優先度をつけて整理することが大切です。
年収重視なら病棟も視野に入れよう
仕事に求める条件のうち、給料の高さが上位にくるのであれば、「夜勤なし」の職場への転職は慎重に考えた方がいいでしょう。
「夜勤なし」で働く場合、夜勤手当がない分、年収は病棟勤務に比べ数十万円~100万円以上ダウンします。
「夜勤なし」で気になる求人を見つけた場合、応募前に「どれくらい年収が下がるのか」を計算し、その下げ幅を許容できるのかどうかよく考えることが大切です。
もし許容できない場合、「月あたりの夜勤の回数が少ない」「1回あたりの夜勤手当が高い」病棟など、夜勤はあるものの今よりは良い条件で働ける職場を視野に入れてもいいかもしれません。
キャリアアドバイザー
一口に病棟と言っても、そこでの働きやすさは千差万別です。自分の希望に合った働き方ができる職場がないか、さまざまな求人をじっくり比較しましょう。
▼「夜勤なし」の職場に転職してどうだった?
総合病院→保育園(27歳・女性)
私生活が大きく変わりました。毎日同じ時間に起床、就寝できることで体への負担が減り、頭痛や生理不順、慢性疲労などが一気になくなりました。顔色が良くなったと言われることも増えました。
大学病院勤務時代は正直、働いていてもお金を使う時間もなく「何のために働いているんだろう」と思ってしまうこともありましたが、今はゆっくり街に出て買い物をすることも増え、生活が充実したように思います。
夜勤がなくなった分お給料は減りましたが、日常生活が安定したり、家族に会える時間が増えたりと、お金にかえられないものを手に入れられたと思っています。
総合病院→療養型病院(27歳・女性)
前の職場の方が給料が良かった。当時の心身を考えると今の方が楽ではあるが、経済的な不安は今の方が大きい。
総合病院→クリニック(美容以外)(26歳・女性)
よかったところは日勤のみで体調が整ったこと、ゆったり働けるようになったこと。
よくないところは、転職先の人間関係が難しく困っていること。また、キャリアアップには大きな総合病院に残った方が良かったかな?と思うこともある。