御嶽山噴火―災害派遣医療チームDMATの救助活動

【ナース知っ得ニュース 2014/10/08号】

 

2014年9月27日に噴火した御獄山(おんたけさん)。

28日から、長野県内の11の病院の医師や看護師などが災害派遣医療チーム「DMAT」として御嶽山のふもとの県立木曽病院に派遣されました。

直後から現在までの活動と、被害の状況をまとめます。

 

 

高山赤十字病院DMATが救護活動 「今後も心のケア必要」(岐阜新聞)

降り注ぐ噴石、背中にけが集中 御嶽山噴火(日本経済新聞)

医師「噴石がかなりのスピードで当たったか」(NHKニュース)

 

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噴火直後29日・・・8合目に救護所、下山者のトリアージ

高山赤十字病院の災害派遣医療チームDMATのメンバーは、医師2名、看護師2名、調整官1名の計5名。医師1名と看護師1名は噴火翌日の28日早朝から8合目で救護所を設け、怪我人をヘリコプターによって搬送するかどうかの判断に当たりました。

残りのチームメンバーは、登山口で下山してきた登山者のトリアージなどに当たったそうです。

 

 

噴石による怪我・気道熱傷が多い

治療にあたった医師によれば、山側に背を向けて噴石から逃れたために怪我は背中側に集中。肩の骨を折ったり、背中に岩がぶつかって肺が破裂するなどの外傷がみられ、大小さまざまな岩が降ってきたのではと推測されました。

また、火山灰の影響も大きく、体が灰に覆われ傷口がわからず「どこを打ったのか細かく聞かなければならなかった」という看護師の話もありました。

噴石による怪我のほかには、熱風や熱い灰を吸い込んだことによる「気道熱傷」が多かったといいます。

 

 

精神ストレスのケアが重要

メンバーの医師によれば、大怪我をした人の多くが怪我や寒さに苦しむ人や亡くなる人に囲まれて一夜を過ごしており、強い精神的ストレスにさらされていました。今後の心のケアが重要であると指摘しています。

既に、被災時の恐怖を思い出すフラッシュバックや、自分だけ生き残ったことへの自責の念にかられるなどの症状を訴える生還者も多く、心的外傷後ストレス障害(PTSD)も懸念されています。

 

 

災害派遣医療チーム(DMAT)について

DMATは専門的な訓練を受けた医師や看護師などで構成されるチームです。その任務は、大規模災害時の発生直後から現場で救急救命活動を行うこと。

2005年に発足したDMATにとって、火山災害の救助は初。

岐阜県内には12病院に20チーム、長野県内の指定病院は11箇所あります。今回は高山赤十字病院の他、中津川市民病院のDMATも長野県に出動し負傷者の治療に当たりました。

 

 

御嶽山噴火 戦後最悪の火山災害に

被害の大きかった火山噴火といえば、1991年の雲仙普賢岳が記憶に新しいですが、登山者が巻き込まれた火山災害は、明治時代以降なかったといわれています。登山者が山頂に多くいた御嶽山の噴火による被害は、非常に大きなものとなりました。

 

御嶽山が噴火したのは9月27日(土)の11時52分ごろ。ちょうど山頂付近で休憩、昼食をとるなどしていた登山者が数百人はいたといわれています。土曜日だったことや、今の時季、中腹は紅葉の最盛期であったことが被害が大きくなった原因でした。

気象庁や専門家が予測できなかったのは、比較的小規模な噴火だったことにあるといわれています。

 

 

(参考)

http://www3.nhk.or.jp/news/gad/tokusetsu/0927ontake.html

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141003/k10015098151000.html

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