都市部では味わえない、休日の過ごし方~牧丘~|へき地・離島ナースリレーコラム【最終回】

へき地・離島で働く看護師リレーコラム。最終回となる15回目は、山梨県の牧丘で働くMichiさん。牧丘での暮らしについてお話いただきました!

 

◆Michiさんのコラムはこちら

バスは1日5本。山梨県・牧丘ナース

院長が体位変換する病院~牧丘~

覆された私の看護概念~牧丘~

 

(寄稿協力:特定非営利活動法人ジャパンハート)

 

自宅から富士山が見える贅沢

今まで牧丘での仕事について書いてきましたが、最寄駅までのバスが1日に5本しか来ないような牧丘で、「休日は何してるの?」と思われそうなので、都会にいては体験できない、牧丘ならではの贅沢な休日の過ごし方を紹介したいと思います。

 

住んでいる宿舎は平屋の一軒家。宿舎からは日本一の富士山が見えます。雑草がちょろちょろ生えた庭もあり、天気のいい日には洗濯物を青空の下で乾かします。ここに来るまでは狭いアパート暮らしで日当たりもあまりよくなく、室内干しがほとんどでした。天日で洗濯物が乾かせ、干した布団がふわふわ。そんな単純なことも新鮮でうれしいと思えるのです。

 

宿舎から見える富士山

 

ブドウもほうとうもワイナリーも

牧丘町は巨峰の産地で、いたるところにブドウ畑があります。夏でも朝晩は涼しい気候が巨峰をおいしく実らせるのだそうです。収穫の時期にはワインのような甘い香りがそこら中に漂っていて、歩いているだけで酔ってしまいそうなほどです。

 

山梨は果物王国といわれるくらい、季節ごとにたくさんの種類の果物が収穫されます。巨峰以外にも、サクランボ、スモモ、モモ、ナシ、リンゴと、果物のつきない毎日を送っています。遊びに来てくれた友人と、2週間連続でサクランボ狩りに行ったこともありました!

 

歩いているだけで酔いそうなブドウの香り

 

海の幸こそあまり食べられないものの、今までの食生活が変わるほど野菜(ときには鹿肉なんてものも!)をいただくので、おかず作りも楽しく、料理の腕を多少上げることもできました。とにかく食べ物に困らない所で、食べるのが大好きな私にぴったり。山梨名物のほうとうは何度となく食べ歩いて、いろんな種類のほうとうを制覇しました。

 

それから、お酒好きにはたまらないワイナリーがたくさんあるので、はしごして楽しむことができます。しかもどこも安くて美味しい! ワイナリー工場見学も場所によって内容が違うので、いろいろ行ってみるとお酒に詳しくなれるかもしれません。

 

お酒好きにもってこいのワイナリー

 

休日の癒やしは温泉!

宿舎の近くには温泉がちらほらあって、一番近いところでは徒歩7分です。そこにはマッサージやお食事処もある、休日の私の癒しの場です。温泉の中で特にお気に入りなのは、病院の同僚に連れて行ってもらった「ほったらかし温泉」です。

 

お風呂からの景色がすばらしく、のぼせなければいつまででもお湯に浸かっていたいくらい。嫌なこともいつの間にか消えてしまうほどうっとりさせてくれる場所です。

 

牧丘は来てみないと、住んでみないとわからないよさがたくさんある所です。食べ物は何でも美味しいし、都会にはなかなかない、人との関わりがあります。仕事をする上でも気付かされることがたくさんあって、新鮮な気分で毎日を過ごしています。

 

まだまだ訪れてみたい場所がいっぱいの牧丘、研修の間にすっかりファンになってしまいました!

 

山梨といえば何と言ってもほうとう!

 

へき地・離島の医療現場について15回にわたってリレー形式でお届けしたコラムも今回が最終回。イメージが先行しがちなへき地・離島ですが、看護師としての仕事はもちろん、プライベートもいきいきと楽しんでいたのが印象的でした。

 

こんな“看護師としての働き方”もあることを、少しでも伝わればよいなと思います。

 


【へき地・離島ナースリレーコラム】

(1)島根・隠岐島で憧れの離島ナースに

(2)「対馬」のナースは還暦を迎えても3交代バリバリ!

(3)バスは1日5本。山梨県・牧丘ナース 

(4)京都から11時間!長崎県上五島の看護師生活

(5)汽笛で目覚める!?海に癒やされる隠岐島の休日

(6)離島の緊急対応はチーム力勝負~対馬~

(7)院長が体位変換する病院~牧丘~

(8)島の患者さんは全員ここへ~上五島~

(9)患者さんと一緒に「よっしゃ!」喜ぶ隠岐島の看護師

(10)対馬では看護部長もドクターもコメディカルも身近

(11)覆された私の看護概念~牧丘~

(12)島民は情報通!?~上五島~

(13)島民の笑顔を守る!隠岐島ナース

(14)お母さんナースに教えてもらった愛情~対馬~

(15)都市部では味わえない、休日の過ごし方~牧丘~

 

■寄稿協力

特定非営利活動法人 ジャパンハート

 

2004年に代表の吉岡秀人医師が設立した国際医療ボランティア団体。今回紹介したへき地離島への医療研修は国際看護長期研修の一つで、ミャンマーでの医療研修も含め1年間のプログラムとなっている。ほかにもカンボジア、ラオスでの医療支援や医療者育成支援など、さまざまな支援活動を行っている。医療者が参加できる活動として、子どもや貧しい人々のために巡回診療や手術を行う、3日~7日程度の休暇で参加が可能な国際医療短期ボランティアなどがある。

 

ジャパンハート公式サイト

国際看護長期研修専用サイト

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