島民は情報通!?~上五島~|へき地・離島ナースリレーコラム【12】

へき地・離島で働く看護師リレーコラム。12回目は、長崎県の上五島(かみごとう)で働くあさみさん。離島での患者さんとの関わり方についてお書きいただきました!

 

◆あさみさんの今までのコラムはこちら

京都から11時間!長崎県上五島の看護師生活

島の患者さんは全員ここへ~上五島~

 

(寄稿協力:特定非営利活動法人ジャパンハート)

 

なんでそんなことまで!?

島の人たちはまわりの人たちのことをよく知っています。直接の面識がなくても、知り合いの親戚、ご近所、というようなことでネットワークがつながるようです。仕事や家族のことなど実にたくさんの情報を持っていて、患者さんと別の患者さんの話をしていると、「なんでそんなことまで知ってるの!?」と驚くことがよくありました。当然、地元の看護師さんもいろいろな情報を持っています。

 

それがわかってからは、入院担当になったとき、その患者さんの生活環境やキャラクターなどのカルテに載らない情報は、地元の看護師さんに聞くようにしています。大体把握できます(笑)。特に入退院を繰り返している患者さんについては、家族も顔負けの細かい情報まで教えてもらえることもありました。

 

上五島には30あまりの教会が点在しています

 

人そのものを看られるのが強み

都市部に比べて患者-医療者間の距離が近いというか、境界が曖昧というか、お互いそのような意識ははっきり持っていない印象があります。実際に一緒に働いているスタッフの家族が入院して、仕事が終わったら患者さんの家族という立場で関わるということも何度か経験しました。

 

距離が近いということは患者さんの安心感につながると思いますが、一方で一人の人間として敬うという場面で、正直疑問を持つこともありました。私自身、ついついその意識を忘れてしまうことがあります。それでも、経過を一貫して看ることができる、患者さんを多面的にとらえ、取り巻く環境も合わせて看ることができるというのは、島の看護ならではの強みだと思います!

 

感染症対策の勉強会中

 

魅力的な看護師になるぞ!

患者さんのいいことも、時にはよくないことも知った上で看護をするのは、珍しい状況かもしれません。だからといって何が変わるわけもなく、一人の患者さんに向上心や意欲、知識を持って向き合う島の看護師は輝いていました。そんな先輩方に魅力を感じたから、「島の看護」に魅力を感じたのかもしれません。

 

今回で私のお話は終わりです。離島の医療、離島の看護師について少しでも伝わればいいなぁと思いながら書きましたがいかがでしたか?上五島はちょっと遠いかもしれませんが、すごく良いところです。機会があればぜひ遊びにきてください!!

 

休日はきれいな海に潜ることも

 

海の幸もおいしいけど、名物の「五島うどん」も絶品

 

次回は、島根県の隠岐島(おきのしま)で働く“キコ”さんにお話いただきます。お楽しみに!

■寄稿協力

特定非営利活動法人 ジャパンハート

 

2004年に代表の吉岡秀人医師が設立した国際医療ボランティア団体。今回紹介したへき地離島への医療研修は国際看護長期研修の一つで、ミャンマーでの医療研修も含め1年間のプログラムとなっている。ほかにもカンボジア、ラオスでの医療支援や医療者育成支援など、さまざまな支援活動を行っている。医療者が参加できる活動として、子どもや貧しい人々のために巡回診療や手術を行う、3日~7日程度の休暇で参加が可能な国際医療短期ボランティアなどがある。

 

ジャパンハート公式サイト

国際看護長期研修専用サイト

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