看護現場の「パワハラ」をデータで見てみる|看護roo!ニュース

看護師のパワハラ、タイトルイラスト

たびたび問題になる看護現場の「パワハラ」

 

特にこのところ、病院や看護学校でのパワハラが相次いで報道されるなど、ため息まじりでニュースを見た人もいるかもしれません。

 

看護現場のパワハラの現状について、日本看護協会の調査データを見てみましょう。

 

 

「精神的な攻撃」「無視」…看護現場のパワハラ

日看協は2019年、全国の病院に勤務する看護師を対象に、ハラスメント被害の実態調査を行っています。調査では、上司などからのパワハラだけでなく、患者やその家族からの被害も含め、「1年以内に受けたハラスメント」について尋ねています。

 

その結果は、下の図の通りです。

 

「身体的な攻撃」「性的な言動(セクハラ)」は患者からの被害が多い一方で、

 

「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」などは、勤務先の職員からの被害、いわゆるパワハラが目立っています

看護師が過去1年以内に受けたハラスメントの種類と割合についての一覧表。「精神的な攻撃」は24.9%で、加害者は勤務先の職員52.3%、患者44.4%、患者の家族16.5%。「身体的な攻撃」は21.7%で、加害者は患者93.4%、患者の家族4.0%、勤務先の職員2.8%。「人間関係からの切り離し」は14.6%で、加害者は勤務先の職員85.7%、患者7.6%、患者の家族3.2%。「性的な言動」は14.4%で、加害者は患者74.7%、勤務先の職員24.0%、患者の家族6.2%。「過大な要求」は9.0%で、加害者は勤務先の職員72.7%、患者15.4%、患者の家族11.7%。「個の侵害」は5.9%で、加害者は勤務先の職員85.7%、患者7.4%、患者の家族3.8%。「過小な要求」は5.0%で、加害者は勤務先の職員76.6%、患者10.0%、患者の家族4.6%

 

 

パワハラ被害は1人で抱え込まない

看護師のハラスメント被害は、患者・家族による暴言・暴力のほか、上司や先輩・同僚によるパワハラも深刻であることがうかがえます。

 

もちろん、仕事に関して「人間関係」の悩みが大きいのは、看護師だけに限らないでしょう。

 

ただ、看護現場では、

 

  • 「患者さんの生命を守る仕事なのだから、厳しく指導して当たり前」という意識・職場風土が根強い
  • 看護師がハラスメントを受けても個人の問題とされがち

 

といった傾向があることも指摘されています。

 

パワハラがあるなど、人間関係の良くない職場では離職者も多く、余裕のなさが、さらにパワハラの起こりやすい環境を生んでしまう現状もあるでしょう。

 

もしもパワハラ被害に遭ったときは、1人だけで抱え込まず、信頼できる先輩や院内外の相談窓口に相談することが大切です。

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

 

(参考)

2019年病院および有床診療所における看護実態調査(日本看護協会)

職場のハラスメント対策(日本看護協会)

ハラスメントの類型と種類(厚生労働省)

職場におけるハラスメントの防止のために(厚生労働省)

 

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