忙しすぎて仕事にやりがいや楽しみを見つけられない…|看護師かげと白石の今週のモヤッと(64)

この連載では、総合病院で働く看護師のかげと中堅看護師の白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.64 忙しすぎて仕事にやりがいや楽しみを見つけられない…

忙しすぎて仕事のやりがいを見つけられない看護師のイラスト

 

看護師白石さんのアイコン

今回は、外科病棟で働く看護師3年目の方からのお悩みです。

 

 

業務が忙しく、自分の知識も追いつかない日々を繰り返しています。

 

仕事が終わると疲れだけが残ってしまい、仕事に自分のやりがいや楽しみが、どうしても見つけられません。

 

もちろん患者さんとの会話や、同期の存在が仕事を続ける助けになることはあります。
でも、仕事をしていくまでの原動力にはなりません。

 

「看護師に向いていないからなのかな」「経験を重ねたり部署が変われば、気持ちも変わるのかな」と考えたりしますが、自分ではよくわかりません。

 

師長さんに相談したら「やりがいは看護にとらわれなくてもいいし、仕事を続けながら探すのもいいと思うよ」と言われました。

 

中途半端な形でこの仕事を投げ出すのはイヤだけど、新しいことにも挑戦して自分のやりたいことを見つけたい気持ちにもなります。

 

何より、今のこの「なんとも言えない状態」で働き続けるのが、自分の中でモヤモヤしてしまっています。

 

このモヤモヤを解決するには、どうしたらいいのでしょうか?
 

Mapさん 看護師3年目

 

看護師かげさんのアイコン

「忙しくて疲れだけが残り、やりがいや楽しみが見つけられない」って気持ちなんだね。

 

いつも忙しくて疲労感があると、楽しさややりがいを感じるのって難しいよね。

 

看護師白石さんのアイコン

そうだね。
そこまでの余裕がないっていうか…。

 

看護師かげさんのアイコン

うん。
僕は、毎日忙しくてヘトヘトな中で、今後もこんな感じで働き続けるのかなって考えると、ちょっと仕事がイヤになったりすることもあったな。

 

「僕このままでいいのかな」って、この先働いていく自分の姿が想像できないって感じ。

 

看護師白石さんのアイコン

わかる。
自分の今後の仕事や人生にまで考えが膨らんだりして、なんだか焦っちゃったりしてね。

 

考え始めるとモヤモヤしちゃうこと、私もあったな~。

 

看護師かげさんのアイコン

相談者さんも言っているように、悩んだまま働き続けるのはしんどいしね。

 

この気持ち、どうしたら少しでも解消できるか、白石さんと一緒に考えてみるね!

 

 

無理に仕事にやりがいを見つけようとしなくて大丈夫

看護師白石さんのアイコン

まずは「仕事にやりがいを持つこと」について、かげさんはどう思う?

 

看護師かげさんのアイコン

僕は、無理に仕事にやりがいや楽しみを見つけようとしなくてもいいんじゃないかなって思うよ。

 

「患者さんの笑顔や感謝の言葉に、看護師としてのやりがいを感じる」
「看護を通して人の役に立てることが嬉しい」

 

といった、この仕事ならではのやりがいを感じる人もたくさんいると思う。

 

でも、何にやりがいを感じるかって人それぞれ。

自分が看護師だからといって、必ずしも看護の仕事にやりがいを見出さなくてもいいと思う。

 

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うんうん。
実は私もかげさんと同じ意見だよ。

「この仕事にやりがいや楽しみを見つけないといけないし、それがないと仕事を続けていけない」というわけではないよね。

 

看護師かげさんのアイコン

うん。
特に3年目くらいまでは、業務を覚えて仕事に慣れるのに精いっぱいで、余裕がないことが多いと思うんだ。

 

そんな大変なときの心の支えになるような「やりがい・楽しさ」があると、メンタル的にちょっと楽になると思うから、あるに越したことはないよね。

 

でも、頑張って見つけないといけないものでもない気がする。

 

改めて言うけど、働く理由は人それぞれだし、比べるものでもないし、あるべきものでもないんじゃないかな。

 

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そうだね。
私もこれまでいろんな看護師と出会ったけど、仕事以外で楽しみを見つけて、それを仕事を頑張る活力にする人もたくさんいるよ。

 

看護師として働くのは、あくまで生活や他のやりがいのためって割り切ってたりね。

 

看護師かげさんのアイコン

うんうん。

相談者さんのところの師長さんの言う

「やりがいは看護にとらわれなくてもいいし、仕事を続けながら探すのもいい」

と、同じような意見を僕も持っているよ。

 

看護師白石さんのアイコン

たしかに。
「看護師の仕事にやりがいや楽しさを感じなければ、看護師に向いてない」とかも全然ないよね。

 

もし、相談者さんが心の中で少しでも「この仕事にやりがいや楽しさを感じないと」って思っていたら、「焦らなくていいし、今のままでも大丈夫だよ」って伝えたいな。

 

 

そもそも「やりがい」ってなんだろう?

看護師白石さんのアイコン

そもそも、この「やりがい」って、一体どこからくるのかな~って考えていたんだけど…。

 

例としては、「自分の仕事の成果が周りに認められる」「自分の成長を感じる」などでやりがいを感じることはありそうだよね。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだよね。

僕も先輩に「すごいね!」って評価されると、自分がやった仕事を認められたと思えて、また頑張ろうって気持ちになるよ。

 

看護師白石さんのアイコン

うん。

ただ、仕事のやりがいや楽しさって、何も立派なものじゃなくてもいいよね。

 

それに、自分の考える「やりがい」を言語化するのって難しかったりすると思うんだ。

 

だから今「やりがいがないかも?」と思ってることに対して、悩みすぎなくてもいいのかも。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね。

 

「自分のやりがいはこれだ!」と言語化されていなくても、仕事をしている人はたくさんいると思う。

 

僕も仕事のやりがいがわからなかったんだけど、ふとこれまでの仕事を振り返ったタイミングで「あのときのあれは良かったな」と思って、そこに「自分のやりがいってこれだったんだ」って見つけられたんだ。

 

こんな感じで、仕事をしながらやりがいや楽しさを感じる瞬間が見つかることもあるよ。

 

だから、今の状態に焦らなくても大丈夫だと思う。

 

看護師白石さんのアイコン

うんうん。

3年目になって、すこし余裕が出てきた頃に見つかるかもしれないしね。

 

あと、今は忙しいかもしれないけど、どこかで仕事のことを振り返る時間を作るのも良いんじゃないかな。

 

これまでやってきたこと・これからやりたいこととかを考えてみると、仕事のやりがいが見つかるきっかけになるかも。

 

 

フラットな気持ちで「どんな仕事をしてみたいか」考えてみるのもアリ

看護師白石さんのアイコン

あと、相談者さんは「新しいことにも挑戦して自分のやりたいことを見つけたい気持ちにもなる」とも言ってるね。

 

看護師かげさんのアイコン

もしかして、看護師以外で自分のやりたいことを探してみたいなーって気持ちになっているのかな?

 

看護師白石さんのアイコン

そうかもしれないね。

それなら今の仕事のことはいったん脇に置いて、フラットな気持ちで「どんな仕事をしてみたいかな」って自由にいろいろ考えてみるといいかも。

 

「私があの職業だったら」「前からこういう仕事気になってたんだよね」って考えていると、それにチャレンジしてみたい気持ちになったり、やりたいことが見えてくるかも。

 

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うんうん。

ただ、まだ今のこの段階では「もう看護師辞めちゃって0からスタートするぞー!」って完全に舵を切るんじゃなくて、やりたいことがあるなら、その目的のために何ができるか考えるといいんじゃないかな。

 

看護師白石さんのアイコン

たしかに。

今はとにかく忙しくて難しいかもしれないけど…、休日にプログラミングの勉強をしてみようかなとか、英会話を習ってみようかなとか。

 

やってみて、もしそれを仕事として本格的にやりたくなったら、そのタイミングで看護師として働き続けるかどうか改めて考えればいいと思う。

 

看護師かげさんのアイコン

うん。
忙しい中だとは思うけど、小さなことでもいいから何かに挑戦してみてもいいよね。

 

看護師白石さんのアイコン

そうだね。

仕事に関することでも、そうでないことでも、何か新しいものにチャレンジすると楽しいし、それに没頭できてちょっとリフレッシュになるよね。

 

忙しい日常の中に何か楽しいことがあるだけでも、仕事の捉え方が少し変わったりしてね。

 

私の場合は、前から挑戦してみたかったサボテンを育てているよ(これが意外と難しくてね…笑)。

 

看護師かげさんのアイコン

うんうん。

「やりがいがない」といった悩みって、頭でいくら考えてもなかなか答えが出なくてモヤモヤする気持ち、すごくわかる。

 

忙しくて大変だと思うけど、自分で納得のいく落とし所が見つかるといいね!

 

 

今週のピカッと


☆自分が看護師だからといって、必ずしも看護の仕事にやりがいを見出さなくても大丈夫

 

☆今「やりがいがないかも」と思ってることに対して、悩みすぎなくていい

 

☆忙しい中だとは思うけど、いったんフラットな気持ちで「この仕事以外でどんなことをしてみたいか」考えてみるのもアリ

 

 

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プロフィール

看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

 

 

書籍紹介

 

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影

 購入はこちら

 


10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

 

書籍紹介

 

『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』

白石弓夏 著、メディカ出版

白石弓夏著『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』の写影

 購入はこちら

 

イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

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