2年目ナース、PNSで新人とのペアが不安…|看護師かげと白石の今週のモヤッと(60)

この連載では、看護師のかげ白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.60 2年目ナース、PNSで新人とのペアが不安…

入ってくる新人ナースの指導ができるか不安な看護師のイラスト

 

白石さんアイコン

今回は看護師1年目の方からのお悩みです。

 

 

もうすぐ2年目になります。

私の病院ではPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を取っています。

 

いつも先輩とペアになるので、わからないことはすぐに先輩に聞けたり、先輩の視点などを教わることができたりして勉強になっています。

 

先日、先輩から「2年目になったら、1カ月くらい経ったところで新人とペアになることがあるよ」と言われました。

 

新人にとっては私が先輩になるので、今までより患者さんの状態変化などに対応する力が、私には求められると思っています。

 

でも私は普段から対応のことで悩んでしまいがちで、新人とペアになったとき、これまでのようにすぐに相談できる距離に先輩がいないことに不安を感じています。

 

新人が入ってきたら、私も先輩と同じように後輩をフォローしながら自分で動けるのかめちゃくちゃ不安です。

どうしたらいいでしょうか?

(看護師Sさん 看護師1年目)

 

PNSは、2人の看護師がペアを組んで同じ患者さんを受け持って、お互いに協力して看護業務を行うシステムのことだよね。

 

相談者さんは、これを取り入れている病院で働いているんだね。

 

かげさんアイコン

ずっと頼れる先輩とペアを組んできたのに、もうすぐ新人とペアを組むときが来る。

 

もし何かで困ったとき、これまでのようにすぐそばに先輩がいないかもと想像すると、不安になるよね。

 

わからないことや慣れないことは2年目になってもいろいろあるし、不安を感じるのも無理はないと思う。

 

うんうん。
PNSのやり方は病院によっていろいろあると思うけど、相談者さんのところは、PNSのペアが決まる・知らされるタイミングはいつなのかな。

 

前日や当日だったり、年間パートナーみたいなこともあるよね。

 

かげさんアイコン

うん。
新人とペアを組む前に、今のうちにできる準備は何かを一緒に考えてみよう!

 

 

2年目としての自分の役割を確認してみよう

2年目って、相談者さんが思う「先輩と同じように後輩をフォローしながら自分で動くこと」がいきなり求められるわけではないんじゃないかなと私は思う。

 

新人にとっては先輩になるけど、まず2年目として「新人と組んだときに、自分にはどこまでの役割が求められているのか」を確認する必要があるかも。

 

かげさんアイコン

僕もそう思う。

 

「今までより患者さんの状態変化などに対応する力が、私には求められる」

「先輩と同じように後輩をフォローしながら自分で動けるのか」

 

と思ってるみたいだけど、実際のところ、2年目としての相談者さんに、どんな役割が求められているのかは、まだわからないよね。

 

新人とペアになったら、自分が「どこまで、何をすれば良いのか」が漠然としているから、今とても不安な気持ちなんじゃないかな。

 

うんうん。

だからまずは、上長に相談して、今の自分ができることは何か、最低限どういうことをすればいいのか、どんな役割を求められているのかをすり合わせしてみるのはどうかな?

 

そこをちゃんとすり合わせられたら、ペアになったときの自分の役割がハッキリするよね。

 

かげさんアイコン

うん。

たとえば、新人とペアになったときを想定して、新人に最低限どこまでサポートすればいいか、技術のチェックリストや業務マニュアルを上長と一緒に見ながら、確認するといいかも。

 

そうだね。
具体的な役割がわかれば、今抱えている不安な気持ちがちょっと晴れるかもしれないね。

 

 

新人とのペアで業務中に困ったときの対処法

かげさんアイコン

新人とペアになったときの自分の役割がわかったら、次は「新人と相談者さんがペアで業務中に困ったときの対処法」だね。

 

うん。
困ったことが起きたら「誰に」「どうやって相談するか」、今のうちからPNSの相談フローを確認しておくのはどうかな。

 

事前に確認しておくと、いざというとき離れた先輩にもスムーズにヘルプを出したり、相談したりできるんじゃないかな。

 

かげさんアイコン

そうだね。
たとえば、その日のメンバーの進捗状況や患者さんの情報を把握しているリーダーに、

 

「3号室の◯◯さん、こういう腹部症状があって◯◯が考えられそうです。医師に報告をしても良いですか?」

 

といった緊急性が考えられるものはすぐに相談するとか。

 

きっと所属先の病棟で決まったフローがあると思うから、確認してみるといいね。

 

いいね。

他の確認事項や、ちょっとしたことを聞きたいときには、手が空いていそうな他の先輩に聞くっていうフローの場合は、それに従うとか。

 

かげさんアイコン

うんうん。

その他にも、新人への伝え方がわからなくて困った場合は、教育担当に聞いたりね。

 

こんな感じで、「このことで困ったら、この人に相談しよう」って事前に確認しておくと安心だと思う。

 

誰でも「これどうしよう」「困ったな」って思うことはあるよ。

 

これまで相談者さんがやってきたように、すぐに相談できる距離に先輩がいなくても、わからないことは自己判断しないで誰かに聞こう!

 

かげさんアイコン

そうだね。
こういう姿勢を後輩の新人に見せることも、とても大切だと思うし。

 

うん。

「2年目だから」「先輩になったから」と、自分一人だけで背負おうとしたり、解決しようとしなくても大丈夫だよね。

 

かげさんアイコン

僕も同感。

特に初日とか、リーダーや先輩に「新人とペアになるのは今日が初めてです」って声をかけてもいいよね。

 

僕がリーダーだったら、「今日が初めて?」と2人に確認するよ。

 

うんうん。

新しく入ってくる新人さんと、一緒に楽しく仕事ができることを祈っています!

 

 

今週のピカッと


☆上長に相談して、新人とペアを組んだとき、2年目として「今の自分ができることは何か」「最低限どういうことをすればいいのか」「どんな役割を求められているのか」をすり合わせしてみよう

 

☆困ったことが起きたら「誰に」「どうやって相談するか」を、今のうちからPNSの相談フローを確認しておこう

 

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プロフィール

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医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

 

 

書籍紹介

 

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影

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10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

 

書籍紹介

 

『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』

白石弓夏 著、メディカ出版

白石弓夏著『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』の写影

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イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

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