「理想の死に方」をプロデュースする「看取り士」とは?|ナース知っ得ニュース

【週刊】ナース知っ得ニュース 2014/7/2号

ナースが知って得する?気になるニュースを、編集部が厳選してお届けします!週1回更新。

 

余命宣告を受けてから納棺までの在宅での看取りを支援する新しい職業「看取り士」。

2025年には『45万人の死に場所がなくなる』超高齢化社会において、新しい価値観をもたらしてくれる重要な存在になりそうです。

 

自宅での看取りを支援する「看取り士」とは(プレジデント・オンライン)

「理想の死に方」をプロデュースする「看取り士」とは?|ナース知っ得ニュース20140701

 

「看取り士」という職業

一般社団法人「日本看取り士会」の会長を務める柴田久美子さんは、約10年前から看取りの仕事をしつつも、看取り士と名乗り始めたのはここ2~3年前のこと。

 

「看取り士」とは、文字通り、旅立つ人を看取る人のことで、本人や家族・医師と相談しながらターミナルから納棺の前まで寄り添い、本人が尊厳ある死を迎えられるようプロデュースする仕事だといいます。

旅立ちのときには肌を触れ合い、傾聴、反復、沈黙を繰り返し、さらに「大丈夫」と声をかけ、旅立つ人と呼吸を共有するのが看取りの方法とされています。

 

「看取り士」は公的な資格ではなく、2週間の合宿の養成講座を受ければ、日本看取り士会認定の看取り士認定証を得ることが可能。取得には介護職員初任者(旧ホームヘルパー2級)以上の資格が必要です。

現在全国に34名いる看取り士は、看護師、介護士など他の仕事を持っている方が大半だそうです。

 

これからの時代に活躍が期待される「看取り士」

現在、日本の年間死亡者数は110万人ほど。団塊世代が加わる時代になれば、その数は170万人にもなるといわれています。その中でも、43万人が誰にも看取られない孤独死になると推計されています。

 

多くの人が死に行く社会を迎えようとする今、死に対する価値観の転換が求められていると柴田さんは語ります。

柴田さんによれば、日本人の8割が自宅で死ぬことを望んでいるものの、少子化によりそれを支える力が足りないとのこと。

病院のベッドで何本ものチューブや人工呼吸器をつけたままではなく、、自宅などの慣れ親しんだ好きな場所で自然に息を引き取りたいと願う方に、看取り士は援助の手を差し伸べます。

 

2014年8月には初の全国大会が開催

2014年8月24日には東京・新宿区の四谷区民ホールで、看取り士による初の全国大会が行われる予定です。取り組みに共感する鹿児島大学・奥健一郎教授を委員長とする実行委員会が主催し、看取り士の支援者や市民らと共に、在宅での看取りのあり方などを考える会となるそうです。

 

在宅介護を支える家族の数が減っている今、全国大会をきっかけに、看取り士の活動を多くの人に知ってもらいたいと柴田さん。今後ますます注目度が高まりそうです。

 

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