「前残業」がちゃんと時間外労働と認められる病院……あるの?|看護roo!ニュース

 

看護師に特徴的な働き方の一つが「前残業」、始業前の時間外労働です。

 

「1時間前に出勤して情報収集するのが当たり前、なのに時間外手当はつかない…」という働き方が、もはや暗黙のルールのようになってしまっています。

 

「前残業」がちゃんと時間外労働と認められる病院って、実際どのくらいあるの?

 

日本看護協会の調査結果から見てみましょう。

 

 

「前残業は時間外労働」は2割だけ…!

全国の病院を対象に行った日看協の調査で、「前残業を時間外労働として扱っている」と答えたのは約2割。6割を超える病院は「時間外労働として扱っていない」という結果でした。

前残業を時間外勤務として扱うか、3385病院の回答グラフ。扱う21.5%、扱わない62.9%、前残業の実態はない12.4%、不明・無回答など2.6%

 

やはり、多くの病院で前残業がサービス残業として慣習化していることがわかります。

 

国立の病院では、前残業をきちんと時間外労働として扱っているケースが比較的多く、その一方で、国立以外の公立病院や医療法人の病院では「時間外労働として扱わない」とする割合が多い傾向でした。

 

また、病院の規模が大きくなるほど、前残業が時間外労働として扱われることが多いという傾向も見られます。

 

 

とは言っても、500床以上の大規模病院でさえ「時間外労働として扱う」が42.8%なのに対して、「扱わない」の48.7%が上回る結果に。

 

「前残業がちゃんと時間外労働で認められる病院なんて少数派でしょ」という現場の感覚どおりの実態です。

 

前残業もれっきとした「労働」!

日看協は、

 

  • 業務に必要な準備のために、始業前に来て情報収集するなどの時間
  • 業務の前後の着替えの時間

 

などもきちんと労働として扱うべきで、時間外手当の対象にするか勤務時間内でその時間を確保するかが必要だとガイドラインで示しています。

 

国の働き方改革でも、始業前のサービス残業を見直す動きが広がっています。

 

「手当のつかない前残業ありき」で業務を回してきた看護師の働き方も、そろそろ本気で見直されるべき時代です。

 

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

 

(参考)

2019年病院看護実態調査日本看護協会

看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(日本看護協会)

2018秋・退勤時間調査(日本医療労働組合連合会)

 

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