認定看護師、現行資格で「永続的に」更新可能に|日看協が制度設計を決定

最新記事:新・認定看護師教育、初年度に開講するのは8カ所

認定看護師制度の移行スケジュール/現行制度:2026年度教育終了、2029年度認定審査終了、更新審査永続的に実施、再認定審査永続的に実施/新制度:2021年度移行開始・移行後の認定更新開始(特定行為研修を修了することで移行可能、2020年度教育開始、2021年度認定審査開始、2026年度更新審査開始/「新たな認定看護師制度 制度設計」(日本看護協会)を基に、看護roo!編集部で作成

 

日本看護協会が、新たな認定看護師の制度設計を公表しました。

 

2018年7月にパブリックコメントを募集した際に示していた制度設計案では、現行制度での認定看護師の更新および再認定の審査は2039年度にそれぞれ終了するとしていましたが、「永続的に実施する」と改められました。

 

現行制度での認定看護師教育は2026年度、認定審査は2029年度に終了予定です。

 

そのため、それまでに現行制度で認定資格を取得した場合には、現行資格での更新が永続的に可能となります。

 

日看協では、パブリックコメントの意見を踏まえ、外部有識者との間で検討をした結果、2018年11月21日の理事会で決定したとしています。

 

 

認定看護分野の再編が決定、新制度では21分野から19分野に

認定看護分野の再編についても、制度設計案から一部変更されました。
 

統合される分野は、

 

  • 「緩和ケア」と「がん性疼痛看護」
  • 「救急看護」と「集中ケア

 

のみに決定しました。

 

新制度での認定看護分野は19分野で、現行制度での教育を2026年度まで実施し、更新を永続的に行っていく分野も含めると、合計で31分野となる見通しです。

 

新たな制度での認定看護分野の再編/現行制度(21分野)緩和ケア、がん性疼痛看護、がん化学療法看護、がん放射線療法看護、乳がん看護、新生児集中ケア、小児救急看護、集中ケア、手術看護、不妊症看護、訪問看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護、脳卒中リハビリテーション看護、透析看護、認知症看護、摂食・嚥下障害看護、糖尿病看護、皮膚・排泄ケア、感染管理/新制度(19分野)緩和ケア、がん薬物療法看護、がん放射線療法看護、乳がん看護、新生児集中ケア、小児プライマリケア、クリティカルケア、手術看護、生殖看護、在宅ケア、呼吸器疾患看護、心不全看護、脳卒中看護、腎不全看護、認知症看護、摂食嚥下障害看護、糖尿病看護、皮膚・排泄ケア、感染管理

 

制度設計案では「緩和ケア」「がん性疼痛看護」を統合し、名称を「がん緩和ケア」とする予定でしたが、「がんだけでなく非がん患者に対するケアの充実も期待される」とし、「緩和ケア」に変更されました。

 

また、「新生児集中ケア」「小児救急看護」を統合して「こどもケア」とする予定でしたが、「対象の幅が広く、専門性が希薄となる」とし、統合は見送られました。

 

ただし、「小児救急看護」については、「救急場面のみならず外来・地域などのプライマリケアの場を中心として子どもの健康問題に対応できるように」との理由から、「小児プライマリケア」という名称に変更されました。

 

 

移行措置で、履修すべき特定行為はいずれの区分でもOK

現行の認定看護師をすでに取得しており、新たな制度での資格に移行したい場合、移行しやすいように移行措置が検討されています。

 

制度設計では、その一部が明らかになりました。

 

新たな認定看護師に移行するには特定行為研修を履修する必要があるとされていますが、「履修すべき特定行為区分はいずれの区分でも良い」とされました。

 

ただし、日看協では、「栄養及び水分管理にかかる薬剤投与の管理」の区分は、すべての認定看護師の実践で活用できるとし、履修を推奨する考えです。

 

また、新たな制度で認定看護師を取得した場合には、特定行為研修を修了した認定看護師という意味で「特定認定看護師」を名乗ることができるとしています。

 

具体的な移行支援の内容についてはまだ明らかにされていませんが、日看協では「現在検討している」としています。

 

 

今後のスケジュール

日看協では現在、特定行為を組み込んだ「新たな認定看護師教育基準カリキュラム(案)」(14分野)を日看協のホームページ上に公開しており、2018年12月9日まで意見を募集しています。

 

今後、集まった意見を踏まえ、検討を行った上で、教育基準カリキュラムの確定版を2019年3月下旬ごろまでに公表する予定。

 

なお、「在宅ケア」「腎不全看護」「呼吸器疾患看護」「手術看護」「生殖看護」の5分野については、2019年度中に教育基準カリキュラム案を作成し、改めて意見を募集するとしています。

 

看護界に影響の大きい認定看護師制度の変更。これからの動きにも注目していきます。

 

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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看護師の特定行為研修「修了者10万人」の目標に遠すぎる現状

 

(参考)

新たな認定看護師制度設計と認定看護分野について(日本看護協会)

新たな認定看護師制度 制度設計(日本看護協会)

認定看護分野一覧(日本看護協会)

認定看護分野再編の経過(日本看護協会)

【認定看護師】現行の認定看護師教育の終了時期等について(日本看護協会)

認定看護師制度の再構築(日本看護協会)

特定行為に係る看護師の研修制度(厚生労働省)

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