患者さんアンケートは院外持ち出しOK?|こんなときどうする?個人情報の扱い方ケーススタディ【7】

看護師が日常業務の中で扱う情報の中には、「個人情報」に当たるものがたくさんあります。医療機関で扱う患者さんの情報は、個人情報の中でも秘匿度最高レベルのもの。

 

日々の業務の中で何気なくやったことが、取り返しのつかない個人情報漏えいにつながるかもしれません。患者さんの大切な情報を扱う者として、こんなときどうする!?を考えてみましょう。

 

そもそも個人情報って何なの?個人情報の基礎知識はこちらで→【いまさら聞けない!個人情報

 


 

ケース7 アンケート結果の集計

 

Q:アナタは院内の看護研究で、患者さんへのアンケート調査を行うことになりました。無記名ですが、記載日・病棟・年齢・性別・疾患は分かるようになっています。やっとアンケートは回収できたのですが、レポート提出の締切を考えると、自宅で集計した方がパソコンも使い慣れているし、早いように思います。このアンケート用紙、持って帰っても大丈夫?

 

(1)患者さんの名前は書いていないので、持って帰っても大丈夫だと思う

(2)名前はなくても個人情報かもしれない。やっぱり怖いので、病院内でやろう

(3)自分で電車に乗って持ち帰ると不安だから、宅配便で送ろう

 

 

A:正解は(2)。まず考えるべきなのは、このアンケートに記載されている情報、つまり「いつ、どの病棟に何の病気で入院している男性(女性)患者さんか」という内容が個人情報に当たるかどうかです。

 

個人情報とは「生存する個人に関する情報で特定の個人を識別可能なもの」とされています。つまり、アンケート自体は個人情報であるとは言い切れないのですが、見る人によっては誰が書いたものかが特定できる可能性を秘めています。

 

患者さんに関わる情報を、むやみに第三者の目に触れさせる機会を作ることは、看護師という立場上、やってはいけないことですよね。微妙なケースではありますが、ここは万が一紛失したり、どこかで落とすなど、第三者の目に触れるリスクを考えます。

 

(1)は、病院から持ち出すことによって紛失するリスクを高めているのでNG。(3)も宅配便だからといって、確実に配送されるとは限りません。事故などの可能性もあります。従って、ここは(2)が正解。大変だけど病院外へ持ち出さず、頑張って病院内で集計しましょう。

 

病院内での取り扱い方法についても、きちんとした管理が必要です。保管の際は病棟内の鍵のかかる引出しに保管し、他人が勝手に持ち出せないようにする必要があります。

 

データ化する際は、ロックがかかる院内パソコンを使用する・ファイル自体にパスワードをかける・USBなどで外部に持ち出さない・・・など、最低限のセキュリティ対策は行いましょう。

 

さらに集計後のアンケートは必ずシュレッダーにかけて破棄するなど、最後まで気をつける必要がありますね。

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