ツアーナースの「暗黙のルール」知ってる?|ツアーナースのつれづれ日誌【8】

今回は、ツアーナースとして働くうえで、初心者でも知っておいてほしい「基本的なルール」をご紹介します。

(ツアーナースの仕事内容【まとめ】は▶こちら

 

ツアーナースのつれづれ日誌

Vol.8 ツアーナースの「暗黙のルール」知ってる?

 

 

 

「消毒薬や内服薬」はこう使う

ツアーナースの同行先では、消毒薬による消毒は、ほとんどしなくなりました。
 
消毒により傷口の皮膚細胞を傷つける可能性があり、傷の治りが悪くなるなどの理由からです。

そのため、擦り傷などの場合には、流水で洗い流して処置をするようにしています。


しかし、「傷=消毒」と考えている生徒がいたり、保護者の中にも「学校では消毒もしてくれなかったの?」という考えの人も多いということで、念のため消毒薬を持参することはあります。
 
また、解熱鎮痛薬などの投薬にも注意が必要です。

アレルギーがある児童・生徒も多く、薬による副作用が出てしまう可能性や保護者とのトラブルなども配慮して、「基本的には使わない」というのがルールになります。

 ※持参薬がある場合、すぐに受診できない移動中や、深夜のケースなどでは例外として使用することはあります(その際も必ず保護者への確認は行います)。

 

しかし、基本的には薬を飲むほどの症状であれば、病院受診を検討したほうがよいでしょう。

 
看護師として投薬できるのは、医師の指示の下であるということを忘れないようにしてください。

 

 

「救護バックの管理」はこうする

 

 

 

救護バックの中身は、養護教諭の先生が一覧表を作成して管理している場合もあります。

 

そのため、ツアーナース終了後に救急バックの中身で使用したものをメモしておくと、養護教諭の先生が管理する際に、足りないものがわかりやすくなります。

これが救護バックを管理する際のルールです。

 

中には「これあったらいいなというものがあれば教えてください」という養護教諭の先生もいるので、その場合は具体的に伝えましょう。

 

中高生の修学旅行への同行の場合、養護教諭の先生に一度も会わないこともあります。

 

その場合には、救護バックに先生からのメモが入っていて、帰りに使ったものや必要なもののメモを入れておきます。

 

 

「個人情報の管理」はこうする

ツアーナースに際し、学校側から配布される資料には、生徒の氏名、既往歴などの個人情報が記載されていますので、そのまま学校側に返却するのがルールです。

 

登録している派遣会社によっては、後日、看護報告書の提出を求める場合もあるので、看護記録は別途メモを残しておくと役立ちます。

 

 

【今週のつれづれ日誌】看護師に憧れている女の子

よく、看護師の友だちから「たくさんの子ども相手にするのは大変そう」「わざわざ休みの日にするのはつらい」と言われます。

正直、大変は大変です。

 

それでも、子どもと関わるのには一つ大きな理由があります。

 

新卒から、病院勤務を長らくしていましたが、知らず知らずのうちに、自分の都合のいいように患者さんに対応していたり、患者さんが亡くなっても、頭のどこかで次の処置のことを考えていたり…。

好きな看護の仕事をしているはずなのに息苦しい感覚がありました。

 

そんなときに、たまたま出会ったのがツアーナースでした。

ツアーナースでは小学校の行事に行くことが多いですが、子どもたちはなんといっても素直です。

 

中には「私のお母さん看護師さんだからね、私も看護師になりたい!」といって、処置しているところを一生懸命覗いていたり、包帯巻くのを手伝ってくれたりする生徒もいて、とても嬉しい気持ちになります。

 

 

また、生徒たちが学校行事を通して、成長していく姿を間近で見ることで、とても勇気づけられます。

 

初日は班員の行動がバラバラで、班長もなんとも頼りない感じ。

集合するたびに先生の指導タイムだったのに、最終日には5分前に集合して整列できるようになるなど、行動の変化があると、不覚にも泣きそうになります(笑)

 

「私も頑張ろう!」と元気をもらえる瞬間です。

 

***

次回は、ツアーナースのメリット・デメリットを解説します!

 

※編集部註※

2017年5月8日に記事内容を一部改訂しました。

 


白石 弓夏(しらいし ゆみか)】

2008年より看護師として総合病院勤務。

小児科、整形外科・泌尿器科・内科の混合病棟、スポーツ整形外科を経験。

その後、派遣でクリニックや検診、ツアーナース、保健室業務、保育園、看護学校臨時教員などさまざまな働き方をし、現在フリーランスナースとして臨床にあたっている。

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