「病名をバラされて、もう師長と一緒に働きたくありません」|師長とのイザコザ解決策【9】

こんにちは。看護の悩み請負人のサトです。

私は元看護師ですが、今はナースからの悩み相談を仕事にしています。

 

さて、今日のお悩みは?

 

師長とのイザコザ解決策【最終回】

「病名をバラされて、もう師長と一緒に働きたくありません」

 

◆ナースのお悩み

最近、経血量が多いなと思って痛みも強いので婦人科を受診しました。

そしたら、子宮筋腫と診断されて手術をすることになりました。

 

師長には、子宮筋腫の手術のために、お休みをいただきたい旨を伝えました。

 

すると翌日、同じ病棟の先輩から「子宮筋腫で手術するの?体調大丈夫?」と聞かれました。

 

とても驚きました。

先輩はなんで知っているのでしょう。

 

師長が話したとしか思えません。

だって、他の人にはまったく言っていませんでしたから。

 

師長が、まさかすぐに先輩に病気のことを伝えてしまうなんて、思いもしませんでした。

 

手術が終わり回復したら職場に戻るつもりだったのですが、今回のことで師長に失望しました。

もう一緒に働きたくない、という気持ちになってしまっています。

このまま辞めるしかないのでしょうか。

 

 

◆目次◆

 

 

【解決策】事実と自分の気持ちを伝える

まず、子宮筋腫に加え、先輩が病気のことを知っていたことで、とてもつらい気持ちだと思います。

職場でのイザコザに気を揉むことなく、治療に専念して、心身ともに気持ち良く仕事に復帰できることを願って、私の考えをお伝えしようと思います。

 

まず、師長にはこのように伝えてはどうでしょうか。

 

「先輩に病気のことを聞かれました。師長以外の人が知っているなんてショックです」

 

つらい気持ちから、すぐに師長を責めたくなるかもしれませんが、問いただす前に、「先輩から声をかけられた」という事実と、「ショックを受けている」という自分の気持ちを伝えることがポイントです。

 

このように伝えて師長の反応をみることで、師長が「本当に先輩に伝えたのかどうか」「伝えたとしたらその意図は何か」などを知ることができます。

 

「師長と一緒に働きたくない」「もう辞めたい」と早まらず、できれば治療前後の対応を師長とともに考えるために、話し合いを始めるのがよいと思います。

 

 

【前提】師長は管理職としての判断から情報開示した可能性がある

師長と話し合うにあたって、師長の気持ちを考えてみましょう。

まず、師長はあなたのことを考えて、管理職としての判断から先輩看護師に情報提供している可能性があります。

 

たとえば、「きっとこれからつらいこともあるだろうから、職場のスタッフ間で何かあった時に助けてくれる人に情報提供しておきましょう」といった考えからさりげなく伝えたのかもしれません。

 

法律上は「労務遂行にかかわりのない私的領域に干渉することや、私生活にかかわる情報をみだりに第三者に開示すること」は、違法なプライバシー侵害行為とされています(原、2011)

 

師長は「みだり」に情報を開示したのでしょうか?

 

「この件は、今後の業務調整のために○○さんと☓☓さんには伝えたいのだけど、いいかな」とお悩み主さんに事前に話してくれたら、また違った気持ちだったかもしれないですね。

 

そして、情報提供を受けた先輩としても、「心配なので、私からも本人に声をかけてもいいですか?」などと師長に確認しておく配慮が考えられたと思います。

 

ここまで、師長がスタッフに情報提供をした可能性で進めてきましたが、もちろん、情報を漏らしていない可能性もあります。

それは結局のところ、なぜ情報が漏れたのか本当の事実は永遠にわからないかもしれません。

 

気をつけたいのは、現場を見ていないのに思い込みで反応して信頼関係を失うことです。

 

 

【話し合いのために】この状況でお悩み主さんにできることは何か

初めに師長に伝える時、自分の病気の情報をどのように扱ってもらいたいか、どのタイミングで誰に伝えたらいいかを相談するということもできたでしょう。

そうは言っても、手術を控えてまさか情報が漏れてしまうようなことが起こるとも思わないでしょうから、難しいかもしれませんね。

 

そもそも、病気の情報が漏れたことで、退職を検討する状況を考えると、元々の信頼関係が築かれていない可能性もあるので、十分に話し合うことは難しかったかもしれません。

 

しかし、師長や先輩を責める気持ちにエネルギーを使うより、前向きに「これからどうするか」「お悩み主さんとしてはどうしたいか」を考えることもできます。

 

お悩み主さんとしては、手術後にできれば職場に復帰したいとのことですので、「治療したあとの働き方」を含めて、師長と話し合う機会を設けられればよいのではないかと思います。

 

 

【まとめ】「治療したあとの働き方」を含めて話し合うために

師長と話し合うためのきっかけとして、
「先輩から病気のことを聞かれました。師長以外の人が知っているなんてショックです」
と伝えると、事実と自分の気持ちを師長に知ってもらうことができます。

 

そのうえで、以下の内容を話し合ってみてください。

・状況を正確に把握

・師長が伝えたとしたら、どういう意図があったのか知る

・自分の気持ちと、治療後の働き方の相談

 

ときどき、「私の職場はあっという間に情報が広がるので、うっかり何も言えません」とコミュニケーションに悩むナースの話を聞きます。

 

ただ、職場での個人情報は、業務調整のために、意図的に開示されることがあります。


開示する側にも、開示される側にも意図が正しく伝わるためには、留意が必要です。

 

いま、予期せず先輩に情報が伝わっていることはショックかと思います。


でも、治療後の働き方に影響するのであれば、早めの情報提供で、サポート体制をつくってもらうことにつながります。

 

時期が過ぎて、「結果的に治療前後のサポートを頼みやすくなったのだな」と思えるようになるとよいですね。

 

(お知らせ)

第9回目の今回でこの連載は終了になります。

今までありがとうございました。

これからも看護師の幸せを祈っています。

 

(文)看護の悩み請負人 サト

 

(イラスト)香川尚子(ホームページ)

 

(参考)

[労働問題Q&A:企業法務]Q5. 企業が労働者のプライバシーを侵害した場合の法律問題について教えて下さい。

(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)2017/1/17アクセス

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  2. 下肢が外旋位にならないように、肢位を調整する
  3. 第4趾と第5趾間の知覚異常の有無を観察する
  4. 足趾、足関節運動の必要性を説明すれば、運動が可能かは確認しなくてよい

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