「醜い顔の女」―看護師が体験した怖い話【二】

看護師が実際に体験した怖い話(?)を全5回にわたってお届けする本企画。

 

第二話の主人公は、夜勤中にウトウトしてしまった看護師。

 

うっかり居眠りしてしまった彼女が目にした“モノ”とは……?

 

 

夏の怪談―看護師が体験した怖い話

第二話「醜い顔の女」

 

 

主任と2人で夜勤に入っていたときのこと。

 

 

パソコンで情報収集をしていた私は、抗いがたい睡魔に襲われていました。

 

 

気付けば同じ文字を何度も読み返している状態。いけないと思いつつも、またウトウト。

 

 

「眠すぎ……」

 

 

主任は詰め所で寝ているし、ワーカーの人も1人いるし、ちょっとくらいなら。

 

 

看護師として最低ですが、時計の分針を確認してから、私は1分だけ目をつむることにました。

 

 

 

ところで皆さんは「ジャーキング」って知ってますか?

 

 

寝ているときに体がビクッとなるやつ。

 

 

体に負担がかかる姿勢で眠ると起こるみたいですが、まさに座りながら寝ていた私は、自分のジャーキングで目を覚ますことになったんです。

 

 

学生のときに経験した人もいるかもしれませんが、そこでビクッとなった私は、ものすごい勢いで机の足を蹴ってしまいました。

 

 

それだけならいいのですが、机の上に置いてあったペン立ての中身を、ぜんぶ床にぶちまけてしまったんです。

 

 

「やば……!」

 

 

眠気はどこかへ吹っ飛び、私は急いでペンを拾いにかかりました。

 

 

ちょっとでも寝ようなんて思った自分がバカだった。

 

 

そう後悔しながら、机の下に潜り込む私。

 

 

自分自身にため息を吐きかけた、そのときでした。

 

 

 

 

 

背後から、視線を感じたんです。

 

 

 

 

 

主任を起こしてしまった……?

 

 

私は不安になりつつも、恐る恐る、ゆっくりと後ろを振り返りました。

 

 

 

 

 

 

けれど、それは主任ではなかったんです。

 

 

 

 

 

 

そこにいたのは、白装束に身を包んだ女――この世のものとは思えないほど醜い顔をした老婆でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、やっぱり主任でした。

 

 

どスッピンの主任でした。

 

 

しかも仮眠しているところを起こされて不機嫌な、顔のむくんだ主任でした。

 

 

 

あのとき一瞬上げそうになった悲鳴を飲みこめなかったら、今ごろ私は。

 

 

 

想像するだけで、今でも全身に鳥肌が立ちます。

 

 

「私のこと呼んだ?」

「いえ、呼んでませんけど……」

「あっそ」

 

 

どうすれば、あそこまで顔が変わるのか。どれだけ厚い化粧をすれば、ああなるのか。

 

 

私も毎日メイクをしますが、今になっても、その化粧法は謎に包まれたままです。

 

 

おわりに

皆さんは、同僚や上司の「真の姿」を知ってますか?

 

たとえどんなにびっくりしたとしても、この主人公のように悲鳴を飲み込みましょう。

 

もしもそこで声を上げていたら、今ごろ彼女は……。

 

 

第三話につづく――。

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