どんな患者さんともいい関係を築く!無意識の壁を取り払う腕のしぐさ

日本しぐさ協会代表・伊勢田幸永です。
普段は意識していない「しぐさ」を変えるだけで、看護師さんの仕事のお悩みが解決できるかもしれませんよ!

 

しぐさで変わる職場コミュニケーション【4】

心を閉ざしてしまっているかも?と感じたら、気をつけるのは「腕」

 

自分にだけ心を開いてくれない患者さん”に出会ったことはありませんか?

 

「同期のあの子とは楽しそうに話しているのに」「ほかの患者さんは普通に接してくれるのに」と、ちょっともやもやしてしまいますよね。プライベートなら付き合いを控えることができても、仕事なら会わないわけにはいきません。
せっかくなら、患者さん一人ひとりといい関係を築きたいですね。

 

人との無意識のバリアを壊す、腕のしぐさ

そんなとき、試してみてほしいしぐさが「話す相手側の腕を引く」です。

 

このように、相手に接している側の腕を自分の体の方に引き寄せてください。
右側の相手には右腕を、左側の相手は左腕を引きます。
こうすることによって、相手に対し“心を開いている”ことを伝えられるのです。

 

コミュニケーションでは、正面から向き合うより横並びのほうが、距離が縮まっていいとされています。しかし、このとき手が邪魔をしてしまうことがよくあります。

 

接している相手の側の腕を伸ばすだけで、それが“壁”になってしまいます。これでは話が進まず、相手も疎外感を感じてしまうのです。

 

話しかけにくいのはあなた?それとも患者さん?

世の中には、どうしても“話しかけやすい人”と“話しかけにくい人”がいます。
残念ながら、あなたはその患者さんにとって“話しかけにくい人”だったのかもしれません。

 

また、相手自身に対する印象だけではなく、記憶によって無意識で“話しかけにくい”と認識されてしまう場合もあります。
人は過去に嫌な経験をしたり、苦手意識を感じたりしたことのある人のタイプを記憶しています。
もしかすると、その患者さんにとって、あなたは無意識で“苦手なタイプ”に該当していたのかもしれません。

 

また、反対に、あなたにとって、患者さんが“苦手なタイプ”だった場合もあるでしょう。
そうなると、その患者さんの前では自然と“構える”しぐさや表情が出てしまっていた可能性があります。

 

無意識は変えられる。しかも腕1本で

「無意識なら仕方ないじゃん……」

 

そう思うのは早い! 

 

「この人苦手かも……」と思ったとき、相手と物理的な距離をとってしまうことはありませんか? 無意識なら、なおさら壁をつくろうとしてしまいます。

だからこそ、意識して相手との関係をオープンにしてくださいね。

 

前回までのコラムで、ちょっとしたしぐさで気持ちを変えられるとお伝えしましたが、反対にわずかな手の動きが相手とのコミュニケーションを難しくしてしまうことがあります。

 

“なぜか心を開いてくれない患者さん”と接するとき、接している側の腕を引くように心がけてください。きっと、うまくコミュニケーションがとれるはずです。

 

“接する相手側の腕を引く”は、患者さん相手だけでなく、誰に対しても使えるしぐさです。ぜひ実践してみてくださいね。

 


【執筆:伊勢田幸永】

オフィスカラーステージ代表取締役、日本しぐさ協会代表理事。コミュニケーションが苦手な人向けに、セミナーやコンサルティングを通じて人の印象や自分の気持ちを変えるしぐさを広める活動を行う。著書に『一瞬で愛され女子になる』『「しぐさ」の魅力』など。

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