バイスタンダーとは・・・
バイスタンダー(ばいすたんだー、bystander)とは、けが人や急病人が発生した場合、その付近に居合わせた人のことである。
一次救命処置(BLS)においては、救急隊到着までの数分間にバイスタンダーが行う救急処置が、患者の予後や生存率を左右するとして重視されている。この際に行われる心肺蘇生処置(CPR)を特に「バイスタンダーCPR」と呼ぶ。
課題
応急手当の実施
バイスタンダーの存在が重要視され、救命講習受講者数が増加傾向にある。しかし、実際に応急手当を実施しているバイスタンダーの割合は、地域や状況などによって異なり、救命講習受講者でも現場では躊躇するなど実施には難しい場合がある。
その理由として、主に以下のとおりである。
・正しい応急手当の方法が分からない
・誤った応急手当の方法で悪化する可能性がある
・悪化した場合の責任が問われる可能性がある
・感染症への不安
・女性患者の羞恥心への配慮
応急手当実施者への影響
・身体的負担
応急手当の際、傷害や感染症などが生じる可能性がある。
・精神的負担
バイスタンダーによる応急手当が一命に関わることがあるため、相当な精神的負担がかかる。
とくに、応急手当の方法が正しかったかどうか自責の念を抱き続けてしまうことや、傷病者が助かったかどうか不安になるなど、応急手当を実施したバイスタンダーに及ぼす精神的影響は大きいことが知られている。
対策
・保険制度の創設
主に身体的負担に対する見舞金など。
・救命講習などの際、感染など二次的な災害防止に配慮すること。
・過大な過失がない限り応急手当の実施について、法的な責任を負わないことを啓発する。
・救急隊員の理解
バイスタンダーにとって救急隊員の対応は大きな影響を受けるため、バイスタンダーの立場や精神的負担などについて救急隊員に理解してもらうようにする。
・応急手当実施者へのフォローアップ
医療機関や消防関係機関が連携し、バイスタンダーが必要に応じて心理的相談などができるシステムを設ける。