自我とは・・・
自我(じが、ego)とは、本能的欲動であるエスをコントロールしようとする機関である。エゴとも言う。
自我は、精神分析学者のジークムント・フロイトの精神分析学で定義した概念である。
フロイトは、人の精神は「エス」「自我」「超自我」の3層構造でできており、人間の精神はこれらの相互作用の結果であると考えた(図1)。無意識に「〜したい」といった「快楽原則」に基づいた本能的な行動や反道徳的な欲求を表すエスと、「〜してはいけない」という良心や道徳的な考えをする超自我のバランスを取る機能が、この自我であると定義した。
エスと超自我が衝突すると、心の中で葛藤が起きる。これを「現実原則」に従って現実的な考え方や対処方法へと調整するようになる。超自我と自我が働くと、エスは心の中に押し込められ抑圧される。
自我の機能が適切で、「エス」「自我」「超自我」のバランスが保たれれば、その人の精神やパーソナリティ(人格)が健康であると考えられる。パーソナリティの形成に、自我が重要な役割を担っていると考えられる。
図1自我