糸球体濾過量とは・・・
糸球体濾過量(しきゅうたいろかりょう、glomerular filtration rate;GFR)とは、腎臓の機能を表す検査値である。GFRは、特に慢性腎臓病(CKD)において、腎機能の重症度評価に重要な指標として用いられている。
糸球体とは?
腎臓は、ネフロンの集合体である。ネフロンとは腎小体とそれに続く尿細管からなり、これが腎臓の基本的な機能単位である。ネフロンは、左右の腎臓にそれぞれ約100万個存在し、各ネフロンで濾過、再吸収、分泌、濃縮が行われて尿が作られていく。
腎小体には、1本の輸入細動脈が入り、それが分岐した後に再度一本となって輸出細動脈として出てゆく。この輸入細動脈が分岐して毛細血管となった塊を糸球体とよぶ。
役割
糸球体濾過量は、その名の通り、フィルターの役割をしている糸球体が一分間にどのくらいの血液を濾過して尿を生成するかを表している。国際的にGFRを求める基準法は、尿細管で再吸収も分泌もされない物質「イヌリン」を使用して、糸球体・尿細管から尿中に排泄された割合(クリアランス)を測定する「イヌリンクリアランス」である。ただ、日常的に実施しにくい検査であるため、24時間の尿中クレアチニン排泄量を測定して得られる「クレアチニンクリアランス」が近似値として用いられてきた。しかし、近年はより簡便で日常診療に利用しやすい血清クレアチニン値、年齢、性別から算出する推算GFR(estimated GFR;eGFR)を用いることを日本腎臓学会は推奨している。
引用参考文献
1)河合忠.異常値の出るメカニズム.医学書院,7版,2018,52.(ISBN9784260032407)
1)河合忠.異常値の出るメカニズム.医学書院,7版,2018,191.(ISBN9784260032407)