染色体検査とは・・・
染色体検査(せんしょくたいけんさ、chromosome analysis)とは、染色体異常を検索する臨床検査の一つで、先天的染色体異常・変化と後天的染色体異常を検査する。
染色体異常とは?
染色体異常には、主に先天異常を引き起こす染色体異常と、がん細胞などに現れる後天的な染色体異常がある。染色体の異常には、染色体の数や構造の異常がある。
先天性染色体異常は、流産や、発達障害、形態異常の一般的な原因となる。また、常染色体の不均衡な染色体構造異常を伴っていた場合、多発形態異常、発達遅滞、成長障害を伴うことが多い。後天性染色体異常は、がんや白血病・悪性リンパ腫の原因となる。
検査の種類
現在、臨床で実際に行われている染色体検査は、先天異常に関する染色体検査、生殖障害に関する染色体検査、出生前診断に関する染色体検査、および悪性腫瘍に関する染色体検査である。
出生前診断に関する染色体検査は、夫婦のいずれかが染色体異常の保因者、染色体異常児を分娩した既往、高齢妊娠、重篤な胎児異常の恐れのある場合や、習慣流産の既往などに該当する場合に実施が考慮される。
高齢妊娠については一般的には、35歳以上を指し、臨床的に最も重要な21番染色体トリソミー(ダウン症候群)の場合だと一般頻度は1,000分の1であるが、35才以上では300分の1、40才以上では100分の1、45才以上では45分の1の頻度となる。
また、出生前診断に関する染色体検査では、羊水染色体や絨毛染色体が検体となることがあり、これらは、血液を検体とした検査より侵襲度が高くなる。
悪性腫瘍に関する染色体検査は、主に白血病と悪性リンパ腫が対象となる。染色体検査を行うことで、診断および予後の推測、また治療効果判定などに使用される。
検査方法
検査方法としては、血液、羊水、絨毛、骨髄液、リンパ節、腫瘍細胞などで行われる。これらの検体から得られた細胞を培養し、細胞分裂の過程の途中で分裂を中止する紡錘糸形成阻止剤を入れ、棍棒状の染色体を得る。染色体は分染法(G分染法が代表的)を用いて分染像(棍棒状の染色体が縞模様に染まる)を得る。この分染像から、染色体の数的、構造的異常を解析する。